■ 「犯罪ではないか?」問い詰めると態度が一変

 こちらだって仕事の詳細が分からないのに、個人情報を提供するつもりはさらさらありません。これ以上は押し問答になりそうなので、「これは犯罪ではないですか?」とストレートに伝えると……。

「これは合法アルバイトです」「多くの人がやっている」「心配ならこのバイト辞めろよ」

 と、やや口調を強めて反論してきました。

TwitterのDMでよく見る「アマゾンのバイト募集」の実態とは 詐欺グループとの一部始終を公開
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)
TwitterのDMでよく見る「アマゾンのバイト募集」の実態とは 詐欺グループとの一部始終を公開
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 いやいや、どうみてもおかしい。色んな犯罪行為が想像できますし、相手にも明らかに焦りが見えるので、足を洗うようにさとしてみると……。

「クソ病気ですか?」「あなたの母親を**してください」「愚か者」

 と、暴言を浴びせるだけ浴びせ、最後は既読無視。(以降掲載のTとのやりとりは、T退会後に撮影したものです)

TwitterのDMでよく見る「アマゾンのバイト募集」の実態とは 詐欺グループとの一部始終を公開
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 初めから調査のためではありましたが……やはりまともな相手ではなかったようです。こんな人物や会社が高額報酬のバイトを斡旋しているとは、到底考えられません。

TwitterのDMでよく見る「アマゾンのバイト募集」の実態とは 詐欺グループとの一部始終を公開
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

■ 同一グループと思われる「R」とも接触

 ここまで触れてきませんでしたが、実は「T」とは別に「R」というアカウントとも同時にコンタクトをとっていました。

 「R」はTよりもビジネスアカウントらしく、やり取りもシンプル。アイコンは女性のものが使用されています。

TwitterのDMでよく見る「アマゾンのバイト募集」の実態とは 詐欺グループとの一部始終を公開
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 そして恐らくこの「T」と「R」は仲間だと思われます。理由は途中で提示してきた「マニュアル」が共通であること。

TwitterのDMでよく見る「アマゾンのバイト募集」の実態とは 詐欺グループとの一部始終を公開
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 Tは部分的な切り抜きを提示してきましたが、Rは全画面をだしてきました。これから両者が同じグループであることが分かります。

 Rが出したマニュアルに書かれていた内容は、「Amazonにてマーチャント(出店者)の売り上げを伸ばすことを手伝う」お仕事でした。全文日本語が微妙すぎたので編集部で以下に整理してみました。ただし、意味がわからなかった部分もあるのでその箇所には「」の後補足をいれています。

○仕事内容:
・Amazonで指定商品を購入すると、相殺分のクーポンが得られる。
・タスク完了ごとに8000~15000の手数料がPayPayウォレット経由で送金される。
・タスクには10~20分かかる。完了後5~7日以内に、受領確認と良い評価をする必要がある。

○ミッション要件(多分、参加できる条件):
・PayPayアカウントの口座残高に5000の「証拠金」があること。
・Amazonアカウントを持っていること、アカウントは2つ以上の履歴があること。
・マーチャントと注文の安全を確保するため、タスク開始まえに「カットオフ国」(ここは意味不明)を指定する必要がある。PayPay履歴のスクショを送ること、「PayPayアカウントが銀行カードと結び付けられ検証が完了」(ここも意味不明)。

 まとめると、Amazonで指定の商品を購入すると、相殺分のクーポンが貰えるわ、手数料が貰えるわの楽なお仕事のようです。もちろんこれは嘘。

 調べたところこの詐欺の結末にはいくつかあるようです。