「フィアット・ドブロ」が待望の日本上陸

2023年5月に日本での発売を開始したフィアットのミニバン(MPV=マルチパーパスビークル)の「ドブロ」は、ズバリ、日本市場ではこのクラスで独走していた「ルノー・カングー」のライバルにあたる。カングーが5人乗りのみの中、ドブロでは、当初から5人乗りモデルと3列シート・7人乗りモデルの「Doblo Maxi (ドブロ・マキシ)」を設定。1.5L BlueHDiディーゼルターボエンジンの強力なトルクは、人と荷物を満載しても十分なパフォーマンスを発揮する。キャンプ・アウトドアブームの中、オシャレなギアとして新たな台風の目になりそうだ。

【ニューモデル情報通】Vol.14 「フィアット・ドブロ」日本導入記念! その兄弟車たちとドブロの歴史を掘り下げる
(画像=シトロエン・ヴィザのフロントドアから後ろにハコをくっつけた「C15」。後継のベルランゴが出た後の2006年まで販売が続いた。、『CARSMEET WEB』より引用)

小型車を得意とするフィアットは、過去日本でも「ムルティプラ」のようなMPVを入れたことはあったが、このような「カングー型」モデルを日本で正規輸入したことはなく、フィアットとしても待望の車種といえるだろう。

「シトロエン・ベルランゴ」「プジョー・リフター」の兄弟車

そんなドブロ。気がついている人もいると思うが、ズバリシトロエンのMPV「ベルランゴ」と、プジョーのMPV「リフター」の兄弟車である。フロントデザインや内装、キャラクターを各メーカーの個性に合わせて変更しているが、基本的には同一車種。日本仕様では3車ともパワートレーンまで一緒だ。

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(画像=カングーの独占的市場に斬り込んだ「シトロエン・ベルランゴ」。本国では乗用モデルを「マルチスペース」と称する。最近のシトロエンらしい個性的なフロントマスク、優れた乗り心地により、しっかりシトロエンのクルマになっている。、『CARSMEET WEB』より引用)
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(画像=こちらはプジョー版の「リフター」。見事にプジョーのファミリーフェイスに変換されていて、スポーティでラギッドな雰囲気を醸し出す。奥に見えるのは、日本でも追加された7人乗りの「リフターロング」。、『CARSMEET WEB』より引用)

さらに、日本では見ることができないが他にも兄弟車がいる。プジョー・シトロエン・フィアットと同じステランティスグループ傘下のオペル(と英国ブランドのヴォクスホール)の「コンボ」、そしてさらにプジョー・シトロエンが「PSA」だった頃から提携車種を多く生み出しているトヨタの「プロエースシティ・ヴァーソ」がそれだ。

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(画像=ベルランゴ・リフター・ドブロと同一ボディを用いる、「オペル・コンボ(左)」と、「トヨタ・プロエースシティ」。乗用版はそれぞれ「コンボ・ライフ」「プロエースシティ・ヴァーソ」を名乗る。、『CARSMEET WEB』より引用)

さらに、ルノー・カングーがそうであるように、ドブロをはじめとするこれら一連のクルマたちは、いずれも「商用バンを乗用化したモデル」である。そのため、本国や現地市場ではむろん商用モデルが販売されている。その中でも、プジョーだけは乗用モデルを「リフター」、商用モデルを「パートナー(本国読みだとパルトネール)」と呼び分けている。

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(画像=元来は商用モデルであるドブロ。そのため、むろんバンが存在する。画像はEV版の「eドブロ」。「シトロエンeベルランゴ」をベースとする。、『CARSMEET WEB』より引用)
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(画像=ロングボディの大きさを生かし、ドブロバンにもロングホイールベース版(L2)を設定。、『CARSMEET WEB』より引用)
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(画像=ベルランゴファミリーのバンモデル一覧。左上から反時計回りに「シトロエン・ベルランゴバン」「プジョー・パートナー」「トヨタ・プロエースシティ」「オペル・コンボカーゴ」。ベルランゴは乗用モデルとマスクが異なり、ドブロと近いデザインなのがわかる。、『CARSMEET WEB』より引用)

歴代のシトロエン・ベルランゴと、2020年時点での兄弟車については、こちらに詳しくまとめてあるので是非ご覧になっていただきたい。