メジロ2本をキャッチした名手現る
時間が経ってもエレベーター仕掛けに反応がないので、片手間に落とし込み釣りを試みるが無反応。他の落とし込み・ヘチ釣り師たちも同様で表情は曇りがちだ。
そうした中、一旦釣り座に戻った8時過ぎ、驚きの光景を目の当たりにした。早朝にサビキ釣りで微笑ましい姿を見せていた親子が、何とメジロを〆ていたのだ。
父親は釣り座に復帰し、ウキ流しの泳がせ釣りスタイルで追釣を狙っていると、程なくして子供にタモ網を持って来てくれと声をかけた。
海面に視線を向けるとウキが無い。子供がタモを持って来ると、父親が竿を煽りアワセてクリーンヒット。竿は満月にしなったが、父親は手慣れた所作で獲物を寄せてくる。ノマセ釣りの経験が豊富な名手のようだ。
海面に魚体が一瞬見えた瞬間「前のよりデカいんとちゃう?」と子供が叫んだ。これは子供の手に負える魚体ではないと、別の釣り人がタモ入れの助っ人を買って出た。
ここから数分の格闘状態を制し、丸々と太ったメジロが助っ人のタモに収まった。私を含む周りの釣り人達の羨望の眼差しの中、1時間足らずで2匹のメジロを仕留めた親子は、9時便の船で獲物を持ち込みお預かりサービスを利用。釣果情報にも掲載される見事な大捕り物を演じた。
6月に向けての展望
この後、2匹目の活きアジを使い切ったので納竿。10時の便で引き上げた。最終釣果は早朝に釣れた良型小アジ10匹にとどまった。釣果は唐揚げにして夕食のお惣菜として賞味したが、メジロが回ってきたのに釣れなかったのは心残りの釣行となった。
6月に向けての展望を私なりに予想してみると、6月も同様にルアー中心で、ノマセ釣りは状況次第の青物狙いが続くと思われる。
ノマセ釣りのエサとなる小アジのサビキ釣りは釣況にかなりムラがあり、6月は梅雨入りするので雨天後の水潮の影響も受けるので、直近まで釣果情報のチェックは欠かせない。
土日祝は釣り人の大半がルアーマンで混雑するので、ノマセ釣りは決して強行せず周りの状況次第と心得たほうが賢明だと思う。チヌの落とし込み、ヘチ釣りは壁面のイ貝が成長するので期待できる。特に夕マズメは狙い目だ。
イ貝の成長に伴い浮上するのがタコ釣り。昨年は極端な不振の年だったが、例年は6月中旬から徐々に釣れ始まっているので、落とし込み釣り・ヘチ釣りとの共存共栄で楽しんでみてはいかがだろうか。
<伴野 慶幸/TSURINEWSライター>
武庫川一文字