町を歩いていると、壁も屋根もボロボロで誰も住んでいる気配がなく、そのまま放置されている住宅を見かけたことはありませんか?今、日本では全国的に空き家が増え、社会問題となっています。
放置された空き家はねずみや害虫の巣になってしまったり、倒壊の恐れがあったり、はたまた不法投棄の温床になったりして、近隣に迷惑をかけてしまうからです。

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そのような背景から、2015年に空き家対策法が施行されました。これは空き家の固定資産税が最大で6倍にも跳ね上がる、空き家に対するムチです。
戸建てやマンションなどが建っている敷地には固定資産税や都市計画税といった税金がかかります。しかし、これらの住宅用地は特例措置が適用されるため、面積に応じて3分の1または6分の1に税額が軽減されています。
一方、倒壊の危険性が高い、衛生上有害の恐れがある、著しく景観を損なっているなどの特定の空き家は固定資産税・都市計画税の軽減措置の対象から除外される可能性があります。その結果、固定資産税が最大6倍の金額に跳ね上がることになります。
空き家問題を解消したいという国の意図がムチとなった形です。
一方で、アメも用意されました。それが「相続した空き家の譲渡所得3,000万円特別控除の特例」です。

図:筆者作成