シビックがコンパクトでいられた時代に間に合った幸運

さらに、タイプRの登場でそれ以外のシビックは「タイプRじゃないシビック」として急激に色あせてしまい、さりとて実用性の高い5ドアハッチバックや、4ドアのシビックフェリオとして発展させるには、EK系までのコンパクトなシビックではもう限界でした。
その結果、2000年9月にモデルチェンジしたEU系シビックは大型化、イギリス製3ドア版がベースのタイプR(EP3)も設定されましたが、2代目インテR(DC5)ともども2リッター化され、「テンロクの安くてコンパクトなタイプR」はEK9が最初で最後となったのです。
シビックのポジションには初代フィットが収まったものの、タイプRは設定されず、「若いクルマ好きが気軽に楽しめるタイプR」は一代限りで失われてしまいました。
現在の中古車市場でEK9の程度良好車が高額なのを見ると、まだ高性能ガソリン車を作れるうちに、もう一度EK9のようなクルマがあっても…と思いますが、おそらく今作れば300万円くらいになってしまい、どのみち若者が容易に手を出せるクルマではないのでしょう。
そういう意味では、あの頃がシビックで、あるいはコンパクトカーでタイプRを発売できた最後の機会であり、その頃にEK9シビックタイプRを新車で買えたクルマ好きは、かなりの幸運に恵まれた世代だったと思います。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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