また、そのパワーに見合った制動力を確保するため、スリット&ドリルド加工が施された400mm径の鋳鉄製フロントディスクと、360mm径リアディスクを標準装備。ブレーキ・ブースターもペダルのフィードバックを改善するために再調整し、しっかりとしたペダルフィールを提供する。
カーボンセラミック・ブレーキ(CCB)もオプション設定。最高800℃の温度までブレーキフェードが軽減されるとともに、標準のブレーキシステムと比較してバネ下重量が27kg軽量化されることで、乗り心地とステアリング・レスポンスが向上するという。
タイヤには、専用開発となるフロントが275/35 R21 103Y、リアが315/30 R21 108Yのミシュラン パイロットスポーツ5sを装着。カーカス部にノイズキャンセリング・ポリウレタン・フォームインサートを備えることにより、車内に伝わるタイヤの「回転音」が20%低減された。
組み合わされる21インチの鍛造アロイホイールは、最先端のシミュレーションを使用して重量を徹底的に削減することで、以前の20インチ・ホイールより8kg軽量化されているという。
DB12のエレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP)システムには、センターコンソールのESPボタンで選択可能な、4つの事前定義されたESPモード(ウェット、オン、トラック、オフ)を用意。これは車両周囲の数多くのセンサーから情報を取得することによって機能しているが、その中で、もっとも先進的なシステムが新しい6軸慣性測定ユニットで、この高度な加速度計は、車両の挙動をリアルタイムで計測し、最先端のアルゴリズムを使用して、利用可能なグリップのレベルを予測し、瞬間的な挙動の不安定性に対応してくれる。
このマルチモードESPに加えて、5つのドライブモードも用意。「GT」、「スポーツ」、「スポーツ+」は動的挙動を段階的に調整し、ステップごとにドライバーがより自由にグリップとトラクションの限界を探ることができるようにし、「ウェット」モードはグリップの低い路面での安定性を高めるとともに、「インディビジュアル」モードでは、シャシー、パワートレイン、ESP、トラクション・コントロールの設定を自由に組み合わせ、ドライバーの好みに合わせて車両システムを正確に調整することができる。
エクステリアは、トレッドをフロント6mm、リア22mm拡大し、フロントエンドのラジエーター開口部が拡大、スプリッターとともに形状も見直されていまる。新たにデイタイム・ランニングライト(DRL)を備えたLEDヘッドライトは、ワイドなスタンスをさらに強調。フロントノーズには、最新形に進化を遂げた、象徴的なアストンマーティンのウィング・バッジが誇らしげに装着される。
アストンマーティン・エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、次のように述べている。
「DB12のデザインは、アストンマーティンが目指すスーパーツアラーを定義しています。歴史的に、現代の自動車愛好家の間で、GTという名称は、ある種の快適さ、スピード、洗練さを意味してきました。しかし、非常に経験豊富なアストンマーティンのお客様は、単なるドライバーではありません。そのため、私たちは単純に自動車をデザインするのではなく、卓越したハンドリング、ダイナミクス、パワートレイン、スペース感覚、スタイリングなど、すべてをDB12に融合しました。そして、パフォーマンスデザインという、このまったく新しいカテゴリーの走行体験を提供するために、テクノロジーを通じてそれを最大限に実現しました」
「アストンマーティン・オーナーの方々が、公道でその走りを限界まで楽しむとき、彼ら自身の経験に基づいて安全に車をコントロールしながら、スピードとパフォーマンスのスリルを求めているということを私たちは知っています。DB12は、ドライバーが何を望んでいるのかを直感的に理解し、どのような運転の瞬間でも、その最適な組み合わせを確実に提供します。DB12を、スーパーツアラーという新しいカテゴリーのモデルとして差別化を実現しているのは、この総合的な経験値によるものです」
「アストンマーティンのもっとも輝かしい血統に新たに加わったDB12は、未来へと飛躍するブランドを体現しています。その大幅な進化は、DB12のスタイリングに反映されています。完全に新しいフロントエンド、ワイドなスタンス、存在感を高めるためのより筋肉質なボディなどを特徴としています。インテリアも完全に新設計され、すっきりとした水平基調のラインがスペース感覚を強調し、新しい最先端のインフォテインメント・システムにふさわしい現代的なバックボーンを提供しています。非常に新鮮でありながら、紛れもなくアストンマーティンであるDB12は、これまでとはまったく違う、新しい種類のスーパーツアラーです」
「自身の個性をスタイルに反映させたいお客様は、『Q by Aston Martin』パーソナライゼーション・サービスを通じて無限の可能性を探求することができます。『Q by Aston Martin』のデザイナーや職人のスキルを間近で体験するため、お客様はユニークなパーソナライゼーションの旅に出ることができます。この旅は、細かいディテールの変更から、本格的なエンジニアリング、完全にオーダーメイドのコンポーネントの生産に至るまで、あらゆる要望にお応えします。DB12を真にユニークなものにするための無限の可能性を備えた設計チームにとって、実現できないことは何もありません」
ラグジュアリーなインテリアを特徴とするDB12は、アストンマーティンの次世代オーダーメイド・インフォテインメント・システムと最先端のコネクテッド・テクノロジーを搭載するとともに、「Bowers & Wilkins」(バウワーズ&ウィルキンス)のサラウンド・サウンドシステムで至高のオーディオ体験を提供。長い伝統を誇るクラフトマンシップと、最高級の素材を組み合わされている。
コックピットの中央には、ショルダーラインの下にまで達する高いセンターコンソールが設置され、現代的なディスプレイとインタラクティブなアナログスイッチの組み合わせを直感的に操作することが可能。ドライバー中心のコントロール類は、人間工学に基づいてキャビンのセンターラインに沿って配置され、ドライバーとの一体感を実現し、レザーインテリアの老舗「Bridge of Weir」(ブリッジ・オブ・ワイル)の香り豊かな手縫いのレザーを採用した豪華なインテリアは、真のスーパーツアラーの価値を体現してる。このシートは、長距離走行でも心地よい快適性を実現しながら、最大限の運転の楽しみを提供するために必要なサポート性を備えており、新しいキルティング・パターンは、最高品質のフルレザーまたはアルカンターラが採用されている。
インフォテインメントは、自社で設計/開発した、オーダーメイドのシステムを採用。ワイヤレスApple CarPlay™およびAndroid Auto™*をサポートするこの新しいシステムは、車両に完全に一体化されたマルチスクリーンシステムで、素早い応答時間(30ミリ秒)の静電容量式タッチコントロールを備えた10.25インチ・ピュアブラック高解像度スクリーン(1970×720)に情報を表示する。