マーケティング組織の立ち上げ、採用は諦めるべきか?

マーケター採用の難しさや背景について述べたところで、採用を諦めるか、内製にこだわるか、外注するかという点について解説します。

私はまず内製化を目指して挑戦することをおすすめしたいです。すべて内製するのは難しいので、せめてホワイトペーパーの作成や、ブログ運営、データ計測の仕組みづくり…など可能な範囲から取り組み始めましょう。

内製化に挑戦した方がいい理由は下記の通りです。

特に3点目の「個別最適化が進みすぎてしまう」は、企業の戦略にまで影響が及ぶ話になります。記事制作はA社、DM発送はB社、ホワイトペーパー作成はC社など施策ごとに個別に外注をすると、個別最適化が進み、戦略が欠如し、大きな成果が得られないことがあります。

ではマーケティング組織を立ち上げるには、どのような人を選定すればよいでしょうか。

常時マーケティング関連の求人がある弊社でも、マーケターの採用は想像以上の難易度です。弊社でも1,000名応募があってようやく1名内定するレベルです。

上述の通り求人数が増え、自社を選んでもらう難易度も上がっている可能性を考慮すると、マーケティングチームの立ち上げは採用より、異動を推奨します。

ここからは少し厳しい話になってしまうのですが、中小企業のマーケター採用状況をお伝えするために書かせていただければと思います。

私自身もベンチャー企業で自チームのマーケター採用に関わりながら、採用の難しさを強く感じていることです。それは、当然ひとり目の採用は想像以上に難航するということです。

まず経験面として、マーケティング未経験の会社がどのようにして有能なマーケターを見極めるのでしょうか。世の中に面接のサンプルや、見極めの質問集などはありますが、それでも採用ミスは発生するものです。

会社にマーケティング組織がない場合、候補者の中から自社を成長させるマーケターを見極めることは至難の技になることが予想されます。

また腕利きのマーケターがいたとしても、自社に応募してくれるのかどうかは疑問です。

腕利きのマーケターは、予算を最適に扱って売り上げを伸ばすことを経験している人が多いので、 マーケティング投資できる費用も少なく、リソースもなく、マーケティングに対する社内理解も少ない状態の企業にわざわざ飛び込んでくれるのか、という疑問があります。

採用が上手くいった企業にも出会ったことがありますが、上記のような採用難易度や、マーケター入社後にミスマッチだった場合のリスクの高さを考えると、いきなり採用を始める前にまずは社内異動の検討を推奨したいと思います。

異動なら採用とは違って金銭面の大きな痛手もなく、ミスマッチのリスクも低くなります。適任者は次のような特徴がある人です。

①職種やキャリアプランへのこだわりが少なく、経験の希少性に重きを置く人

例えば、絶対に営業職がいい、何歳までに絶対マネージャーになりたい、などのこだわりがあまりない人が適任です。どちらかといえば会社の中でどんな経験ができるのか、という経験の希少性にこだわりを持つ人の方が合うと思います。

立ち上げポジションは前例がないため、キャリアプランなどは会社も上司も用意できません。そのため明確なキャリアプランを既に持っている人は予定通りキャリアが進まないことに対して、モチベーションが続かない可能性があります。

②目的意識が強い人

マーケティングの手法は多様にあります。 先ほど述べた通りSNS、広告、SEO、ホワイトペーパー、ウェビナー、 展示会出展など、手段が多様にあるからこそ、 どの手段を目的達成のために用いるのが適切なのかを考えられる人の方が合うでしょう。

やりたい施策だけをやっているようでは結果は出ないので、目的意識がある人の方が合うポジションです。