東山紀之さんのコメントは本当かウソか?

21日に公表した「ジャニーズ事務所・東山紀之さんのコメントは、テレビ朝日と日本テレビによる報道倫理違反の可能性がある」でも、東山さんがテレビで話して数百万人が耳にしたであろう「後輩に待ってもらった」という発言から、筆者は報道介入の疑惑を指摘した。

この記事には、ノーコメントで炎上した櫻井翔さんをかばうために東山さんがそういう言い方をしただけでは? 本人のコメントではなく事務所からそう言わされただけでは? という指摘もあった。要するに誤解を受ける言い方だったかもしれないが、言ったことをストレートに受け止めるのは間違いでは? という指摘だ。

この指摘については、そうかもしれないし、そうではないかもしれないとしか言いようがない。

ただ、根拠の不確かな憶測を加えるとかえって事実から遠ざかる。まずは当事者の発信した情報を、内容が事実かどうかは別に、発信したこと自体は事実であるとストレートに受け止めるべきだ。

景子氏の知らなかった発言も、知らないわけがないと否定・批判をして水かけ論にするより、知らないこと自体が問題である、つまり知っていても知らなくてもどちらにせよ取締役としての責任から逃れられないと指摘する方が意味がある。

東山さんのコメントも筆者は一旦事実として受けとめた。そこから報道介入の疑惑を指摘したところ、日本テレビ・テレビ朝日・ジャニーズ事務所と三社ともこの指摘をハッキリと否定した※。日本テレビに至っては定例会見で社長自ら否定している。

※東山紀之〝発言を待ってもらう〟は報道への介入か ジャニーズとテレ朝、日テレは否定 東スポWEB 2023/05/23

結果として、じゃあ東山さんの待ってもらった発言はなんだったのか? 誰が嘘をついているのか? そもそもなんで放送内容をジャニーズ事務所が事前に知っていたのか? と更に大きな矛盾が浮き彫りとなった。

喜多川氏の性加害疑惑について、真偽不明の情報や自称関係者の匿名コメントが多数流れているが、公表された資料・情報でも読み方次第でこれだけ多数の問題を浮き彫りに出来る。つまり公式リリースにはそれだけの価値がある。

企業を分析する際、最初に見るものは決算書や有価証券報告書と呼ばれる誰でも無料で見られる資料だ。投資家や銀行はこれを分析することで企業の内情を読み解く。重要なことは他の人が知らない情報を探す事ではなく、誰もが知っている情報から他の人が読み取れない情報を読み解く事だ。

ジャニーズ事務所は未上場企業で詳細な決算書や有価証券報告書は手に入らないが、たった二本の短いリリースからでも読み取れることは山のようにある。

あまりに矛盾が多く長い説明になってしまったものの、誰でも見られる情報に価値は無い、秘密の情報・ここだけの話にしか価値はないと思っている人は多いかもしれないが、それは間違いであると指摘しておきたい(これは筆者なりに一連の記事である程度示した)。