例年開催されるCOPのような印象を感じさせたG7が終わった。新聞には個別声明要旨が載っていた。気候変動対策については、対策の趣旨を述べた前文に以下のようなことが書かれていた。
【前文】 遅くとも2050年までにCO2の排出量実質ゼロを達成するため、世界のクリーン・エネルギーへの移行を加速。将来のクリーン・エネルギー経済を推進する上で透明性のある協力を行う。パリ協定の目標達成に向けて、各国の事情に応じた多様な道筋の存在を認識。世界気温を1.5℃に抑えるために、経済の脱炭素化に向けたグローバルな取り組みを支援する。
つまり、各国は現状を分析し、それに応じた必要な対策を講じる。各国はそれらのプロセスを明確にし、透明性を確保しながら取り組む。それが、各国の多様な道筋の存在を認識した取り組みであると前文では謳っているようだ。
果たして、我が国は、CO2排出の現状を正しく分析しているのだろうか? 我が国から排出されるCO2は大気圏を上昇していき、その過程で地球全体のCO2濃度の上昇にどの程度寄与し、大気の温度をどれほど上げているのだろうか?
政府や研究機関、専門家の報告書などを見てもグローバルな話ばかりで、我が国の火力発電所や工場、車両などから排出されたCO2の行方について分析したものを、私は寡聞にして知らない。
以前、「太陽光パネル義務化を考える」というセミナーを開催したが、参加者から、「日本の工場から排出されたCO2はどこに行っているのか、太平洋に吸収されるのか?」という質問が出された。同じような疑問を感じておられる方も多いのかもしれない。