アフターコロナを迎え、日系企業にとって海外展開は一層重要に
新型コロナウイルスの影響で、グローバルビジネスは大きなダメージを受けています。しかし、アフターコロナを見据えると、日系企業にとって海外展開は一層重要になるでしょう。
海外市場での新規事業開発や、グローバル人材の確保、生産拠点の多角化によるリスク分散、地政学的リスクの低減などが期待されます。
例えば、日本の自動車メーカーがアジアを中心とした海外市場での展開を進め、生産拠点の多角化や新規事業の展開などに取り組むケースや、日本の製薬メーカーが欧州市場での販売強化や、M&Aを通じた事業拡大に取り組むケースなどが挙げられます。
以上が、日系企業の海外展開と不正会計についての考察です。海外展開にはリスクが伴いますが、適切な内部統制の整備や不正防止策を講じることで、グローバル展開の成功につながるでしょう。
これらは多くの欧米企業においてはすでに取り組まれている事柄です。今後も、日系企業はこうした不正への対応を周回遅れにならないように意識した上で、グローバル市場での競争力を高めていくことが求められます。
<著者プロフィール>
渡部学
株式会社マルチブック
代表取締役CEO半導体商社株式会社マクニカにて経理・コーポレートIT等の責任者を経て、海外の買収先のPMIに従事、その後アジアパシフィックのコントローラーを担う。帰国後は独シーメンス社他のCFOとしてグローバル企業のリーダー職に従事。2019年、株式会社マルチブックにCFOとして参画しM&Aによる資金調達をリード。2021年CEO就任。20年以上のファイナンス分野での経験から、買収企業の制度/システム統合、グローバル資本再編による税務、クロスボーダーのオペレーションを得意とする。