オープンなクラブであるためのカンファレンス
ーベルマーレクラブカンファレンス(クラブスタッフとサポーターが一堂に会しての情報開示や意見交換の場)を定期的に実施するようになった経緯や、具体的な理由を教えて下さい。
遠藤氏:これは眞壁さんの発案ですね。眞壁さんが社長に就任した際に「クラブは地域の公共財のような存在。ベルマーレも地域の皆さんのもの。だからベルマーレの将来や、今起きていることについてクラブの中だけで決めるんじゃなくて、サポーターの声を聞いて、クラブの運営に活かしていこう」と。
クラブの存続危機があって、自分たちが生かされたのは地域の皆さんの支えがあったからこそという考えが根底にあります。現在は様々なクラブで実施されていますけど、当時そういったものはなくて。「厳しいことも言われるのに何でそんな会を開くの?」と、眞壁さんは周囲から言われたらしいです。
クラブカンファレンスでは率直な意見や耳の痛い話もたくさん聞くことになるんですけど、皆さんがベルマーレに愛情を持っているからこそですし、私たちにとってはものすごく学びがあります。一方通行ではなくて、両方の意見をお互いが聞ける場。しかもそれが年3回、定期的に開催されている。今58回続いていますけど、積み重ねは大きな財産になっていると思います。
ー明るい話題を提供するのが難しい時期もあったと思います。その際のサポーターへの情報発信や彼らとの関係性作りで、遠藤さんが心がけたことは何ですか。
遠藤氏:どんな状況であってもできるだけオープンなクラブでありたいと思っています。自分たちだけでクラブ運営をしているわけではないですし、皆さんと一緒にクラブをより良くしていこうという思いで日々やってるので。もちろん、様々な要因があるのでタイミングを図ることは大切ですが、クラブの考えを丁寧に伝えていきたいと思っています。
(後編に続く)