人間の脳は起きてから2、3時間が1日の中で最もパフォーマンスが高い
朝の時間は仕事の効率が良い……そんな話を聞いたことはないだろうか。
精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑氏は著書『神・時間術(大和書房 2017)』で次のように説明する。
人間の脳というのは、起きてから2、3時間は、脳が疲れておらず、さらに脳内が非常に整理された状態にあるため、脳のパフォーマンスが1日で最も高いのです。その時間帯は、「脳のゴールデンタイム」と呼ばれ、論理的な作業、文事執筆、語学の学習など、高い集中力を要する仕事に向いています
脳が疲れていない午前中は脳のパフォーマンスが1日で最も高く、だからこそメールやチャットに時間を使うより、たとえば企画書作りやレポートを書くといった、頭を使う難易度が高い仕事に取り組むほうが仕事の効率がずっとよくなる。
酒巻氏が朝の時間をメールに費やすのはもったいないと説くのは、こうした理由からに他ならない。
元GAFA部長のメンターが「僕はメールは見ないから」と言い切った理由GAFAの元部長でベストセラー作家の寺澤伸洋氏は著書『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(KADOKAWA 2020)』の中で日系メーカーの経営企画室に勤務していた頃、メンターから「僕はメールは見ないから」と言われ驚いたというエピソードを紹介している。
N氏は『僕に依頼したい人がメールで送って反応がなかったら、僕の席に来るか、電話してくるでしょ』と語ったという。N氏も酒巻氏同様、緊急の場合は電話をはじめとした別の手段で連絡がくると考えていたのだ。
たしかに緊急の要件であればメールやチャットを送って相手から反応がなければ電話等、なにかしらの代替手段で連絡を取るのが一般的だ。
本当に急ぎの用件であれば、2時間も放置されたら別の手段で連絡が来る、酒巻氏はそう考えてるからこそ、出社2時間はメールを見なくていいと考えているということだ。
メールやチャットは常にチェックしなくても良い。
これを実現すれば効率よく仕事を回せるようになる。
実際、長時間労働に悩んでいた頃の筆者もメールチェックを1日2回、朝10時と16時に制限することで効率よく仕事ができるようになった経験がある。