朝仕事を始める時にメールやチャットのチェックから始める人は多いだろう。先日筆者が主催するセミナーの受講生もまさにそうで、理由を尋ねると「習慣で」ということだった。
業務上どうしても必要がある場合を除いて、朝一番にメールやチャットをチェックすることは果たして効率的なのか。
なんとなくの習慣が果たして正しいのか?時短コンサルタントの立場から考えてみたい。

Tippapatt/iStock
キヤノン電子現会長の酒巻久氏の著書『朝イチでメールは読むな! 仕事ができる人に変わる41の習慣 (朝日新聞出版 2010)』によれば、同社では部長職以上に対して出社から2時間以内のメール閲覧を禁止しているとある(出版時点)。それで問題が起きたことは一度もないという。
メール閲覧に時間の縛りをかける理由について、酒巻氏は書籍で以下のように説く。
朝の時間を「メール漬け」で費やすのは、非常にもったいない。頭が冴えた朝は、メール対応という「受動的な」仕事から始めるのではなく、自分がやるべき最も大事な仕事から「能動的に」スタートするべきだ。(中略)本当に緊急な要件があれば、メールではなく電話が来るから、メール閲覧が2時間後でも何の問題もない。
キヤノン電子のルールが正しい理由は、人間の脳の特性にある。