謙虚な姿勢の若き挑戦者

このパフォーマンスには、福岡サポーターからも高評価が相次いだ。クラブが公式SNSで毎節後募集する「印象に残った選手」投票で、重見が最も票を集めたことからもそれは明らかだった。

それから現在まで、リーグ戦3試合連続スタメン出場。試合を重ねるごとにプロの強度に慣れ、前とのコンビネーションは上昇しているように見える。しかし本人は「今はまだビギナーズラック。怪我人が復帰して、自分が試される」と、客観的に現状を見つめる。

一般に公開された17日の練習後には、キャプテンのDF奈良竜樹と数分間にわたって2人で話す姿が見られ、そのことを重見に問うと「プロというのは個人の戦いで、自分次第でどうにでもできるもの。そのための時間の使い方を教えてもらいました」と語った。それは、奈良の重見に対する期待の表れにも感じられた。

この日は中村、井手口ともに全体練習に参加しており、強力なライバルの復帰は遠くないはずだ。それでも「ポジションを渡したくないという思いはあるか?」の問いに「もちろんあります!」と断言。簡単にポジションを譲る気はないようだ。元日本代表など経験豊富な先輩たちとの真っ向勝負に、来シーズンルーキーとなる21歳が挑んでいる。今後の活躍から目が離せない。