「ゲーム障害」や「ゲーム依存」を予防するには
どんなことでも、問題が大きくなってから対処するのではなく、問題が生じないように予防する方が重要であり、コストも低くなるものである。そこで、「ゲーム障害」や「ゲーム依存」の予防について考える。
第一に重要なことは、子どもの不平不満に耳を傾けることである。イヤなことが上手く処理できずに、それを避けるためにゲームを使用するような場合に「ゲーム依存」に陥ってしまう。そうであれば、子どもがイヤなことに対処できる力を育てていくことが重要であろう。そのためには、子どもが不平や不満を話してきたときに、話をよく聞いて、一緒に考えることが大切である。それがゲームを使ってイヤなことを避けるのを予防することになると考えられる。
第二には、ゲーム以外の活動を楽しめるように関わることである。ゲームを止めさせることに気持ちが向きがちであるが、子どもはゲームを通して意味のある活動を楽しんでいる場合も多い。そのため、単に止めさせるだけでは、子どもが成長する機会を奪うことにもなりかねない。だからこそ、ゲーム以外の活動で、子どもが楽しめて充実できる活動を見つけてそれに取り組めるようにサポートしてあげることが大切である。
ごく一般的で当たり前のことだが、子どもと、色々なことについてコミュニケーションを深め、様々な活動を一緒に楽しむことがゲーム障害やゲーム依存を予防することにつながると言える。
■
半田 一郎 子育てカウンセリング・リソースポート代表カウンセラー(臨床心理士・公認心理師)。 スクールカウンセラーとして50校以上の学校で活動。著書は、『スクールカウンセラーと教師のための「チーム学校」入門』、『子どものSOSの聴き方・受け止め方』など多数。