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30年モデルチェンジしなかった「様式美」:初代(1967年)
30年越しのキープコンセプト!:2代目(1997年)
30年モデルチェンジしなかった「様式美」:初代(1967年)

クラウンエイトでライバルに先駆け、ショーファードリブンカーを実用化したトヨタですが、1965年に日産が発売した初代プレジデントには、はるかに大きいボディ、4リッターV8または3リッター直6のパワフルなエンジンで圧倒されます。
しかしトヨタも1967年11月には本命のフルサイズ・ショーファードリブンを発売、トヨタグループ創業者の豊田佐吉の生誕100年、さらに翌年には1868年の明治維新から100年を控えていた事から、「センチュリー(世紀)」と名付けました。
全長は5m以内に収まる4,980mmでプレジデントより若干全長は短く、V8エンジンも3リッターと排気量は小さかったものの、ホイールベース2,860mm、全幅1,890mmはむしろ上回り、フロントのエアサスや豪華内装など装備面も充実。
エンジンを最終的に4リッターへ拡大(1982年)、ホイールベースを延長したリムジン追加(1989年)といった改良やモデル追加を行いつつ、2代目へモデルチェンジするまでの30年間、基本的なデザインや構造は変えずに販売しています。
これだけ同じモデルを続けても、古さを感じさせるよりは重厚感や高級感に磨きがかかり、センリュリー独自の「様式美」を構築しました。
30年越しのキープコンセプト!:2代目(1997年)

30年ぶりにモデルチェンジしたセンチュリーですが、2代目になってもセンチュリーにしか見えないほど変わりないデザイン、1990年代後半にして堂々とそそり立つフェンダーミラーという「様式美」にはビックリしました!
搭載されるエンジンはさすがに最新で、国産乗用車用では初の、そしておそらく最後になるであろう5リッターV12エンジン1GZ-FEで、まだ馬力自主規制時代だったため自然吸気とはいえ5リッターDOHCなのに最高出力280馬力にもまたビックリ。
宮内庁にも採用されて皇室や宮家の御用達にもなりますが、それとは別に日産 プリンスロイヤル後継の御料車として「センチュリーロイヤル」も開発、一見すると豪華版センチュリーに見えるのに、サイズがフタ回りほどでかいのにも三度目のビックリ!
何かと規格外で驚かされてばかりの2代目センチュリーでしたが、この頃にはライバルの日産がすっかり凋落、同クラスのショーファードリブンを開発できるのがトヨタだけになっており、「日本車全てのフラッグシップモデル」にふさわしく気合の入ったクルマでした。
なお、世界中の日本大使館などでも使われ、「日本車の様式美」を輸出した事でも話題になっています。