不動産執行のルール

【1・説明】
解錠事件以外では執行官を先頭に入室。債務者に現在の状況を伝え、本日の差し押さえ以降の流れを説明。
なお、ゴミ屋敷化する物件も多く、土足で上がるのか、スリッパを着用するのか、靴下のまま上がるのかも執行官の判断。
【2・調査】
物件調査開始。立地条件や広さなどから容易に割り出せる市場価格を参考に、痛みや故障箇所、その他瑕疵(かし)事案を見つけ、減点方式で不動産価値を絞り込んでいく。
出来る限り写真撮影も行い、その場で間取り図面を取り、占有者からの報告にも耳を傾ける。
また、近隣との境界トラブルの有無や図面通りの敷地面積があるのか、接道状況に問題はないかといった確認も行う。
【3・質疑応答】
ほどなくして物件調査は終わるが、債務者には不安のみが残る。そのため債務者の不安点や質問に応じつつ、改めて今後の流れについて説明を行う。
【4・解散】
基本的に関わる全ての不動産執行人が現地集合現地解散となっているため、最後に物件外観の写真を撮影し現地解散。
もちろんこれは理想形の流れであり、債務者とのトラブルに発展するケースや債務者が取り乱すケース、警察沙汰という場合もある。
当然といえば当然なのだが、この状況で債務者に的確な判断力や、感情に流されない対応を求めるのは酷な条件提示。少々のトラブルは仕方のないことと捉えている――。
多くの債務者は、差し押さえの状況に至るまで、ジェットコースターさながらのスピーディーな経済的転落を経験している。急速に追い詰められていく環境の変化に対応しきれない債務者の心は当然荒れ果てていく。そして、やがて家族や物件に消えない傷を負わせることになるのだ。

DV、虐待、セルフネグレクト、自殺、心中、薬物中毒、暴力団、詐欺、宗教、統合失調症。社会問題と考えられる多くの事案と日々出会う仕事なのだ。
この資本主義社会に於いて、経済的なつまずきは人の心を荒廃させる。誰にもある心の中の闇が蝕むように広がりやがて、暗黒となる。
そのような暗黒に染まる物件を本稿では「暗黒物件」として紹介していきたい。それらは果たして遠く離れた世界の出来事なのだろうか、それともすぐ後ろでアナタの歩みが止まるのを待ち受けている出来事なのだろうか。
文=ニポポ
提供元・TOCANA
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