不動産競売物件情報サイト「BIT」では、元所有者が税金滞納などで差し押さえられた物件を見ることができる。差し押さえの結果である物件そのものはこうして誰でもネット上で閲覧することができるが、差し押さえの現場そのものは通常は知りえないものだ。そうした中、トカナでは過去に、差し押さえのリアルな実情を語った不動産執行人ニポポの記事を掲載したことがある。以下、「暗黒物件」シリーズの第一回を再掲する。

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※ こちらの記事は2018年10月10日の記事を再掲しています。

――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くす…!

事故物件よりもウツになる「暗黒物件」とは? 差し押さえ物件のリアルな現場
(画像=画像は「Thinkstock」より引用、『TOCANA』より引用)

「“この仕事”は、彼らにとって死刑執行人みたいなものですから」

これが、筆者である私ニポポが“この仕事”を始める前に告げられた心づもり。

もちろん“この仕事”とは、13階段を上り首に縄をかけられた死刑囚の踏み板と繋がる3つのボタンのうちのどれか一つを押し、午後には半休をもらって帰宅するという噂に聞く、あの刑務官、あの死刑執行人ではない。

そもそもそのような死刑執行は数自体も少なく、それだけで生業となるようなものではないのだろう。

「競売にかけるため、債務者の物件を差し押さえに行く」

これが“この仕事”の正体。