不法滞在者たちを車で送る

メキシコとの国境が近い米アリゾナ州のハイウェイで車を走らせていた男性は道端に人影を認めた。

歩行者などいるはずがない場所だけに気になって車を停めると、メキシコ人らしき男性から車に乗せてほしいと頼まれた。承諾すると、いつの間にかやって来ていた3人も車に乗り込んできたのだった。

彼らを乗せて走り出そうかという時、後ろに来て止まったパトカーから警察官がやって来て男性に話しかけてきた。

警察官によれば車に乗せている男たちは不法滞在者であり、あなたは彼らの身柄を警察に引き渡すことができると説明した。しかし、警察官は彼らを引き渡せとは言わなかったのである。

男性は少し混乱したが、警察官に別れを告げて車を走らせたのだった。彼らの目的地である数マイル先の果樹園に着くと、男たちは男性にいたく感謝して「アミーゴ、アミーゴ!」と繰り返しながら車を降りたということだ。自分のとった行為の是非はともかく、男性にとって記憶に残るドライブになった。

ヒッチハイカーは殺人犯

同じくアリゾナ州からメキシコへ向けて車を走らせていた男性が、道の脇を見るとヒッチハイクをしている男性の姿を認めた。

車を停めて男にどこへ行くのかと尋ねると、方向が同じだったので男性は車に乗せたのだった。

運転中の雑談の中で男性はヒッチハイカーに名前を聞いたのだが、なんと2人はまったくの同姓同名でお互いに驚き、話が弾むことにもなった。

目的地で男性を降ろし、その後にメキシコへ入国した男性だったがどういうわけかイミグレーションで職員に別室へと案内された。

疑問を抱きながら部屋で待っていた男性だったが、次にやって来たのは警察官であった。待たせたことを謝罪してから、警察官はあなたと同姓同名の人物が現在指名手配中なのだと説明したのだ。

その同姓同名の人物が何をしたのか聞いてみると、警察官は「殺人です」と答えたのである。車に乗せた男は殺人犯だったのだ。

ヒッチハイクにまつわる不思議で不気味な話14選!(後編) 長髪のヒトラー、同姓同名の殺人犯他
(画像=画像は「Pixabay」より、『TOCANA』より引用)