鎌田鳥山
ひとつめが鳥料理の「鎌田鳥山」です。
ここは囲炉裏端で炭焼きの鶏料理を食べられるお店です。
なんと100年の歴史を刻む、趣ある建物です。
この辺りはもともと天皇の猟場だったそうです。今の天皇が皇太子時代にご学友と訪れたこともあるそうでその時の写真が飾ってありました。
メニューは野鳥コースと若鳥コースのみ。どちらも事前予約が必要です。最近カフェも始められたそうです。
鎌田鳥山の玄関です。まるで山小屋のようです。食事を摂る場所は2階です。
どうですか、この雰囲気、いい感じでしょう。ちょっと道後温泉本館を思い出しました。周りは森の中です。
今回私は予約をしていなかったので、鳥コースを食べることはできなかったのですが、カフェで本格コーヒーをいただきました。
カフェは奥の間にあります。ここからの風景もまた格別です。
鎌田鳥山にはエアコンがありません。
公園の頂上近くなので、風の通りがすこぶる良く、夏場でも涼しいそうです。平地と5度くらい気温差があるのだとか。
このコーヒーがまた美味しかった。看板にも書いてありました(小さく控えめに)が「超本格」コーヒーです。酸味が効いた深みあるコーヒーでした。器がまた良いですね。500円。
峠の小さな美術館
続いて、峠の小さな美術館。
鎌田鳥山と向かい合うように建っています。
どうですか、この森の中の佇まい。
この美術館、入館料は無料です。
ここには、絵がとても好きで、でも絵で食べていくことは叶わなくて、他の仕事をしながら絵を描き続けてきた人、そういう人たちの絵が展示されています。
絵はおよそ1か月~2か月で入れ替わるそうです。
ここに展示されている絵を描いている人たちは多くが80歳以上なのだとか。
館長さんが仰っていました。
「彼ら彼女らは、若い頃、コンクールに出品もしていたんですよ。その時描いていた絵は人のために描いた絵でした。いわゆる選考委員に気に入られるような絵。今彼らは、年齢を経て、自分のために絵を描いている。自分が描きたい絵を描いているんですよ。どうぞ見てください。」
私は絵には疎いですが、とても優しい絵が多いな、と感じました。
コンクールで賞を獲るためじゃなく、審査員のためじゃなく、自分の好きな絵、描きたい絵を描いているからそうなるのかもしれません。
画家を目指して、残念ながらその夢は叶わなくて、でも絵を描き続けてきた人たち。
彼らは絵が好きで好きでたまらない人たちなのでしょう。
いわゆるプロ画家の絵ではないということですが、腕はプロ級です。こころ動かされる絵ばかりでした。
そんな絵が好きな人たちの思いが詰まった作品が展示されている森の中の小さな美術館。
一見の価値ありです。
音楽セッションに遭遇
峠の小さな美術館はいくつかの棟に分かれています。
季節により展示物は変わりますが、不定期で音楽会も行われています。
私が訪れた時は、ちょうど音楽家の皆さんのセッションが行われていました。
ハーモニカ、琴、ギター、尺八など、ジャンルの違った音楽家の皆さんが、即興でセッションをするというなんともエキサイティングなイベントでした。
驚いたのは、琴や尺八が奏ではじめると野鳥たちがそれに呼応するように、さえずりが大きく響き渡っていったことです。
感動しました。野鳥たちも音楽家さんたちとフリーセッションをしていたのかもしれません。
それもこの森の中という最高のステージだったからこその奇跡なのでしょう。
セッションを聴くのは無料です。演奏時間は約1時間。任意の投げ銭システムなので、終了後自分が思った金額をボックスに入れます。