フィットネス業界の最大手であるコナミスポーツは、さまざまなニーズの顧客層へ訴求しています。「あらゆる顧客を取り込む」方針のコナミに対して、その他のジムでは以下のように特定の客層へ絞った訴求を行っており、同時に各メインターゲット層への指導にフィットしたトレーナーを揃えています。
カーブス:女性専用のフィットネスジム。「化粧崩れ」等、男性の目を気にする必要のない空間を実現するため、女性トレーナーで統一。
ゴールドジム:アスリート・ボディビルダーの会員も多数在籍し、敷居の高さを感じさせるジム。「痩せたい」人よりも「体を大きくしたい」人を客層のメインに据える。トレーナーにはボディビル大会の出場経験者も多く、「本格的に体を大きくしたい会員」をサポートできる人材を揃える。
加圧トレーニングスタジオOz(オズ):「加圧トレーニング受け放題」を特色とする。加圧トレーニングという持久運動的要素の強い運動の性質上、「体を大きくしたい」人よりも「痩せたい」人のほうがメインの客層となる。スタッフにボディビル大会出場者が多いゴールドジム等と比較して、フィジーク(“大きな体”ではなく“引き締まった体”を評価する競技)出身の“細マッチョ”トレーナーを数多く採用。
「あの会社は〇〇な社員が多いよね!」と偏見が生まれるぐらいで丁度良いここまでお話ししたように、企業としての戦略、およびターゲットとする客層に合わせて「必要な人材に採用を絞る」のが「選択と集中」を実現するための基本であり、多様な人材を抱えようとすることは、業界第二位以下の企業にとっては悪手となります。
また、社会全体の観点から見ても、「あの会社の社員はこういうタイプの人が多いよね」という“良い意味での偏見”を持たれるような企業が多数存在することが、商品・サービスの多様化につながり、消費者にとっての選択肢が豊かになるという事実がく認識されるべきだと考えています。