周囲とのつながりが、虐待やネグレクトから親子を救う
児童虐待のニュースはなくなりませんね。千葉さんは、児童虐待が起こってしまう一番の原因は何だと考えますか?
千葉:私も子育てをしていて泣きたくなることもありますし、手をあげたくなる気持ちもわかるので、こうした事件が起こってしまうのはとても悲しいです。原因のひとつとしては、密閉した空間に親子が閉じ込められているのが大きいと思います。
私は夫が海外に単身赴任していることもあり、子どもふたりといっしょに『マナハウス』というシングルマザー向けのシェアハウスに住んでいますが、他の人の目がある環境では手をあげそうになったとしても踏み留まることができます。
複数の大人たちと関わりのある環境で子育てをすることが、当たり前になると良いですよね。
千葉:今の社会では、「子どもは母親が責任を持って面倒をみなくてはいけない」という圧力が強すぎて、何か問題を抱えていても、それを隠すという行動をとってしまいます。その責任をみんなで分散して、大人がストレスを発散できる環境が必要です。
虐待やネグレクトという状態になる前に、親もSOSを出していると思います。そんなとき、日頃からご近所や知り合いとのつながりがあれば、子どもや親からのSOSに気がつくことができるはずです。
多様な大人の姿が、選択肢のある未来をつくる
千葉さんご自身が里親になりたいという夢は叶ったのですか?
千葉:実は周囲の意見などもあり、私はまだ里親になることができていません。それがずっとコンプレックスでしたが、今となっては強みでもあると思っています。
というのも、里親に興味があるけれどなれない、という人はとても多く、RACでの活動はそういった方々でも何らかのかたちで、地域の子育てに関わることができることを啓発しています。私と同じような方々の「何かしたい」という想いに火をつけることができると良いと思います。
千葉さんが、RACの活動を通して実現したいことは何でしょうか。
千葉:「子どもは家を選べない」という現状を里親の制度で変えていけたらと思います。例えば、週2日は自分の家、5日は他の家に行くという選択ができれば、家庭に問題があったとしても状況の悪化を防ぐことができます。
自分の家庭だけしか知らない場合、大声で怒られて育ったとすると、自分が子どもをもったときに、そのやり方しか再現することができません。親がうまく他の人を頼っていれば、頼ることは悪いことじゃないと考えられるようになります。
里親制度が多くの人にとって身近になり、子どもたちに多様な大人の姿を見せることで、生き方の正解はひとつだけじゃないと子どもたちが知ることができればと思います。
取材を終えて
「里親を必要としている子どもたち」その存在をどこか遠くに感じていましたが、虐待やネグレクト、その一歩手前であるというSOSは、今も近くで発せられているかもしれません。
家庭を越えたゆるい繋がりがあることで、「人を頼っても良いのだ」と安心して生きられる仕組みは、社会全体にとっても必要なことだと感じました。
▼RACの情報はこちらから
https://www.rac-foster.or.jp/
文・川西里奈/提供元・Fledge
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