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元戦車兵の大物俳優に後押しされた民生版への転用
門柱を破壊し、犬小屋を踏み潰す最強のアメリカンSUV

元戦車兵の大物俳優に後押しされた民生版への転用

門柱を破壊し、犬小屋を踏み潰す!大物俳優にも愛された最強アメ車SUV『ハマーH1』【推し車】
(画像=たくましい悪路走破性と安心感、ただちょっとばかりデカくて重すぎ、案外走れる場所は限られるかも,『MOBY』より 引用)

チェロキーやラングラーなどとは別に軍用ジープの末裔として開発されたハンヴィーですが、AMゼネラルでは「ジープのように民生分野でも売り込みたい」という希望を持っており、生産数が増えるほど価格が下がるためか、軍も反対はしなかったようです。

それを後押ししたのが俳優、カリフォルニア州知事という経歴を持つアーノルド・シュワルツェネッガー。

ボディビルダー上がりで映画「ターミネーター」、「コマンドー」などでの屈強な戦闘用サイボーグや兵士役が人気の彼が、「あえてのハズシ技」で幼稚園の保育士(として潜入捜査した刑事役)に挑んだ「キンダガートン・コップ」でハンヴィーの車列を見たのが始まり。

シュワルツェネッガーは若き頃にオーストリア陸軍へ徴兵されており、運転ミスで装甲車を沼に水没させたという真偽定かならぬ逸話すら残る戦車兵でしたが、その血が騒いだか「ハンヴィーの民生版をぜひ売ってくれ!」とAMゼネラルへ強力に働きかけたそうです。

もちろんAMゼネラルにとっては渡りに船、保安基準や快適性に係わる内装など最低限の装備を施した民生版ハンヴィーは1992年に「ハマー」と名付けられ、量産1,2号車を真っ先に注文したシュワルツェネッガーへ引き渡すと、大々的に売り出しました。

門柱を破壊し、犬小屋を踏み潰す最強のアメリカンSUV

門柱を破壊し、犬小屋を踏み潰す!大物俳優にも愛された最強アメ車SUV『ハマーH1』【推し車】
(画像=日本版ハンヴィーこと高機動車/トヨタ メガクルーザー同様、運転席と助手席の間は巨大なトランファーに仕切られている,『MOBY』より 引用)

軍用モデルと同じ傾斜した車体後部へテールゲートを持つスラントバック版のほか、ピックアップ版、全金属製箱型フルハードトップのワゴン版があるものの、特にフロント周りは軍用ハンヴィーの標準モデルとほぼ同じ見かけのハマーは、発売されるや大人気!

何しろ軍用そのものですから、タフなイメージをアピールしたい、あるいはこれだけ巨大なSUVを所有できる富裕層としてアピールしたいセレブなオーナーにはうってつけでしたが、アメリカンフルサイズSUVとしても大柄で頑丈ゆえのエピソードも残されています。

あまりに大きすぎるため、バックで車庫入れしようとして門柱を破壊した、入り口のそばにあった犬小屋を踏み潰した(愛犬の運命やいかに…)という話は多かったものの、むしろ「ハマーらしい」と好感をもって受け入れられていたようです。

日本でも北海道庁やNTTドコモなど、官公庁や企業の中でも災害時のタフネスぶりを期待される部署で、日本版ハンヴィー(通称:ジャンヴィー)として自衛隊が採用した高機動車の民生版トヨタ メガクルーザーとともに配備運用されました。