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イメージだけではない軍用そのものな最強級クロカンSUV
民生・軍用2つの系譜、ハマーH1も実はジープの子孫
イメージだけではない軍用そのものな最強級クロカンSUV

クロカン(クロスカントリー)車の起源がジープなど軍用車両にあると思うと、近代クロカンの最強級モデルのひとつがハマー、GMの1ブランドになってH2以降が販売されて以降の名称では「ハマーH1」である事には疑いないでしょう。
何しろ米軍の制式採用車両であるM998ハンヴィーの民生版であり、ステランティスの「ジープ」ブランドと同様、その源流は第2次世界大戦のジープにまでさかのぼれる伝統もアリ。
原型が実戦部隊での運用にあたり数多くの独自カスタマイズを受けており、大型高級SUVとしても含め、軍民問わずカスタムネタも無限大な超ド級クロカンSUVを今回は紹介します。
民生・軍用2つの系譜、ハマーH1も実はジープの子孫

ハマーH1の原型であるM998「ハンヴィー」は、第2次世界大戦時にアメリカ軍向けとして開発、ただちに大量生産・配備されて連合軍で多用され、「C-47(輸送機)、バズーカ砲、ジープは連合軍が勝利した原動力」と言われたほどの名車、ジープの末裔です。
ハンヴィーそのものの詳細は別記事で改めて書きますが、戦後もジープは改良を続けながら生産が続けられ、メーカーも合併、買収を繰り返す形で、軍によるハンヴィーの要求仕様が固まった1970年代末にはAMC(アメリカン・モーターズ)のブランドになっていました。
正確には、「ジープ・チェロキー」など一般向けがAMC、軍用ジープなど軍用車両や郵便局など公用車、バスなど商用車がAMCの子会社であるAMゼネラルの製品となっており、ハンヴィーを開発したのはもちろん軍用車両部門を含むAMゼネラル。
ただし、1980年代に入ってハンヴィーの採用が決まった頃にAMCはフランスのルノー傘下となり、国防関連メーカーが外資傘下となることを嫌った当局によってAMゼネラルは他の国防関連メーカー傘下へと移されます。
こうして「ジープ」の系譜は、ルノー傘下からさらにクライスラー傘下へ移り、現在の多国籍メーカー「ステランティス」傘下の一部となった民生用ジープと、AMゼネラル系の軍用ジープを起源とする2つに分かれたのです。
一時は民生ジープ側からクレームが出たものの、上記のような歴史的経緯からハンヴィー、としてH1以降のハマー車へ、ジープと同じデザインアイデンティティ、「縦7本スリット(溝)のフロントグリル」が認められているのには、こうした事情があります。