筆者は40年くらい、ワシントン、NY国連、NATO本部などなど、世界中を現場取材をしてきた。特に国連での議論。日本の「9条」など話題になったことなどない。9条があるので、日本は「戦争に巻き込まれません」などということを言った人は、一部日本人と同調する少人数の仲間以外にはいないといえる。

「戦争をしない国」とか言っても、「はぁ・・良いことだが、具体的にどういう意味ですか?」「で、なにを言いたいのですか?」と首を傾げられるだけ。自分が勝手にそう思い込んでも、侵略する国には関係ない話。それが世界の常識だ。悲しいことだが、数千年に渡り、懲りずに戦争を継続してきた人類の性だ。

GHQが押し付けてから70数年以上経過。上記のように、ケーディスらは、「時限立法」的な考えで、押し付けた。

当時と違って現在は、露中北という独裁色が強く(露北の可能性は非常に小さいが)、いつ侵略を始めてもおかしくない3ケ国が日本の周辺に存在する。それも皆が核兵器を持つ。70数年前と比べて環境と事情が全く違う。

別に「押し付け」であろうがなかろうが関係なく「9条」が効果的に、侵略されない「防波堤」「予防策」なら、維持すれば良い。ところが、実効性など全くない。

これまで、9条の有効性が試されることはなかった。当たり前だ。日本以外では相手にされないため、実効性が問われることなど最初からないのだ。これからもない。

読売新聞によれば、憲法改正賛成はついに61%に達した。

さすがに違憲という考えは、いまは昔ほど多くない。だが自衛隊は祖国防衛のための国軍ではないといえる。万が一中国軍との交戦が尖閣である場合。法的に認められた正規、合法の日本国軍ではないので、中国軍を殺傷する場合、殺人罪で起訴されるかもしれない。捕虜になっても、国際法を基に正当に扱われない可能性もある。

現在、自衛隊の皆さんは、毎日「有事」に備えて、訓練をしている。心構えも半端ではない。そんな彼(女)らに正当な地位と権利を持って頂くのは、当然だろう。

筆者は米政府など米側関係者数十人以上、話を直接聞いた。「内政干渉なので、公的には言えないが、」という断りがあり、その上で、日本は現状に即した修正をするのが、日本国益のプラスになるだけでなく「お互いのためになる」と言う。

いい加減、9条を現実に即した形にするなど、憲法を改正することにしたらどうだろうか?