転機を感じるウクライナ問題

コロナと共に想定外の長さになっているウクライナ問題についてはその休戦/停戦に関して一部ではまだ数年かかるとみる分析もあるようですが、感覚的に転機を迎えているように感じています。まず、戦争自体ですが、ロシアの民間軍事会社ワグネルのプリゴジン氏が弾薬不足を理由に要衝バフムトから撤退するとしたのはカナダの報道ではかなり衝撃的扱いとなっています。ウクライナによるロシアへのドローン攻撃らしき反撃が見られる一方、クレムリンへのドローン攻撃は自作自演の可能性も指摘されています。ウクライナ軍の猛反撃が近々実施されると予想される中、ロシア側は防戦から一気に押し返される可能性が出てきました。

その背景はプーチン氏の指導力と幹部の厭世観ではないかと思います。プリゴジン氏の発言はその一環であろうし、ロシア側が強力な戦略を打ち出せなくなり致命的状況ではないかと感じています。ただ、ウクライナ及び西側諸国は仮にロシア軍を押し返した場合、プーチン氏の奇行には十分気をつけるべきで極めて重要な局面に差し掛かっているとみています。

その場合、「戦争の力比べ」から外交的解決手段に戦略の重みを移すべきです。現状、外交的介入ができるのは習近平氏しかいないでしょう。トルコのエルドアン大統領は劣勢が伝えられる大統領選を間近に控えています。欧州首脳では和平に一番力を注ぐマクロン大統領がいますが、欧州首脳とぎくしゃく感が出ており、氏がまとめ役になるとは思えません。仮にロシアが敗退することになればプーチン氏は消えるわけでロシア国家の再興と賠償金問題を考えると国体の維持すら厳しくなる公算はあります。こちらも歴史的な展開を見せるような気がします。

後記 10年間一緒に働いたユダヤ人の不動産コンサルタント氏が会社設立40周年を祝ったパーティーに参加しました。もしかすると120名の参加者で私が一番若いのではないかと思うほど業界の重鎮が勢ぞろいし、アジア系は私と中国人2人だけでユダヤ色満載でした。彼と顧問弁護士と私の思いは「(私が十数年かけて完遂した)ベイショア開発は我々のライフワークだったなと。絶対に忘れることがないであろう金字塔のこの事業に携われたことに感謝、感謝です。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年5月6日の記事より転載させていただきました。