日本の女子サッカーはどうなる?

ー今後、日本の女子サッカーに必要なことは何だと思いますか?

茨木:女子サッカーの関係者だけで話し合っても、結局変わらないんじゃないかなって思っています。例えば「どうすれば成功できるか」の話し合いにプロ野球の人たちを呼んで経験談や意見を聞いたりとか。Jリーグはもちろんですが、ハンドボール、バスケットボールなど他の競技団体や企業の人たちと意見交換することがポイントになってくると思います。サッカー業界の中だけで話し合っても、アイデアが限られてしまうと思うんですよね。

万屋:確かに他の競技とのコラボっていうのは、今までなかったですよね。

茨木:競技もそうだし、本当になんでも良いと思うんです。例えば電気屋さんとのコラボとか、何でも。そうすることで、色々なアイデアをもらえると思うんです。

ー確かに「WE ACTION MEETING」に参加する人の枠をもっと広くして、様々な角度で話し合えれば、さらに変化しそうですね。

茨木:会社員の人に「女子サッカーは観に行かないんですか?」と聞いてみたり、そういうことが動員数を増やすヒントに繋がると思うんです。

万屋:そうですね。それはベストアンサーだと思います。

元日本代表 MF川村優理 写真:Getty Images

尊敬するなでしこメンバーは?

ーWEリーグの創設は「なでしこジャパン」のレベルに影響があると思いますか?

茨木:影響とは違うかもしれませんが、WEリーグができたことで選手1人1人がサッカーと向き合う時間が増えました。他の仕事をしながらサッカーをしていた時より、筋トレや自主練に使える時間も長くなっています。その分、代表のレベルが上がっているのではと思いますが、これはやはり実際に(代表に)なってみないと分らない部分ではありますね。海外も同じようにレベルが上がっていると思うので。

万屋:今まで、なでしこリーグでは「1部」「2部」「チャレンジ」だったんですが、その上に「WE」という存在が出来たので、目指す場所が一段階上がりました。そのことは、代表のレベルに影響があるんじゃないかと思います。

ー今年、女子W杯が開催(7月20日〜)されますが、過去に選出されたなでしこメンバーの中で、尊敬している選手はいますか?

茨木:ゆうりさん(MF川村優理)とめぐさん(MF上尾野辺めぐみ)ですかね。二人ともアルビ(アルビレックス新潟レディース)の2人です。私が一番最初に大卒で新潟に入った時、一緒にサッカーをしたんですが、その時「うわ、上手いな」ってシンプルにそう思ったんです。とても優しい人柄で、サッカーのことや取り組み方を教えていただきました。例えば練習前の過ごし方などは、 WEリーグで一番最初にその二人に見せてもらいましたね。

ー当時の光景は今でも覚えていますか?

茨木:はい。覚えてます!

ー茨木選手のその笑顔から、当時の幸せが伝わってきます。

茨木:はい(笑)

万屋:(笑)

ーでは、万屋選手はどうですか?

万屋:なでしこが優勝した時の事でいうと、私とはポジションが逆なんですが、 近賀さん(サンフレッチェ広島レジーナMF近賀ゆかり)の駆け上がる感じのプレーが好きです。あとは阪口夢穂さん(元大宮アルディージャVENTUS、2023年4月9日引退発表)の縁の下の力持ち的なプレーがすごい好きです。それほど目立つ訳じゃないんですが、チームを支えている存在感がすごくて。


マイナビ仙台レディース DF万屋美穂 写真:マイナビ仙台提供