(1)骨盤底筋群:内臓を下から支え、肛門や尿意をコントロールする
私たちの体は骨と筋肉で支えているのですが、お腹周りだけは骨がなく、背骨と筋肉だけで内臓を支えています。よって、悪い姿勢や加齢による筋肉の低下で、内臓は下がってしまいます。
そこで必要なのがインナーマッスルの強化です。その1つが骨盤底筋という筋肉群です。胴体の一番底の部分で内臓が下がらないように支えている筋肉のことです(恥骨、坐骨、尾骨についている筋肉で、膀胱や子宮、直腸を支えています)。姿勢を維持するためにとても大切な筋肉です。
骨盤底筋群のもうひとつの役割は、排泄のコントロール。骨盤底筋群は便意や尿意があると緩み、排泄してくれるのです。締める力が低下すると、尿漏れや頻尿などのトラブルが生じます。尿道を締める力、肩こりや腰痛予防、ウエストの引き締めにも、とても必要な筋肉群です。
【トレーニング法】 椅子に座ったまま、ももをできるだけ内側に寄せる。タオルなど柔らかいものを足の間に挟むと意識しやすいです。肛門と膣を胃のほうに引き込むように10秒ほど締めます。その後、30秒ほどリラックスする。これを数回繰り返してみましょう。デスクワークの合間やTV鑑賞中などにトレーニングしてみましょう。
(2)腹横筋:ウエストを形成する
腹横筋は体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させる筋肉です。また、腹圧を高めて排便を補助したり、腰への負担が軽減するといった効果もあります。
【トレーニング法】 腹式呼吸をする際に、お腹をいつもより大きくへこませます(ドローイン)。立位・座位・寝たままなど、いつでもどこでもできます。通勤時間やデスクワークの合間にやってみてください。
(3)多裂筋:背骨を支える
背中の脊柱にくっついている筋肉。首から腰の脊椎の椎体をまたいで付いている小さな筋肉で、両側の多裂筋が働くと脊柱が伸び、片側が働くことで脊柱を回し、横に曲げる働きがあります。その働きのほとんどは大きな運動ではなく、わずかに動く程度です。腰痛との関連性も高いと言われています。
【トレーニング法】 椅子に座ったまま、両手を前に伸ばします。背中を丸めないように、両腕と床を水平に保つように意識してみてください(10秒ぐらいキープします)。