大谷選手起用の背景
コーセーのプレスリリース(2022年12月16日付)によると、まず企業の中長期ビジョンとして「世界で存在感のある企業への進化」を掲げ、「今までの延長線上にない新たな価値の創造」をテーマに、モノづくりや顧客との関係づくりに力を注いるとのこと。
さらに、今後の新たな顧客づくりの拡大領域として、これまでのグローバル(Global)に、ジェンダー(Gender)とジェネレーション(Generation)を加え、その頭文字である「3G」をキーワードに、ビューティが持つ新たな可能性を探り、独自の化粧文化や価値を創出していく。この活動を大きく進めていくため、世界で活躍し、性別や年齢を問わず多くの方に愛される大谷選手と本契約を結ぶことに至ったと説明されている。
単に個別の商品のイメージに適した広告モデルという枠組みを超え、明確な企業全体の中長期ビジョン、それを踏まえた新規顧客の設定、商品開発、広告モデルの選定といった見事なフローが確認できる。ちなみに、マーケティングといえば「顧客満足」に関心が集まるが、「新たな価値の創造」による顧客満足の最大化でなければ差別化は難しい。そうした視点からも、「3G」というキーワードは興味深い。