フリードマンの提案した「累進消費税」
この逆進性を避けるために必要なのは、社会保険料を下げて消費税を上げることだ。消費税は上の図のように、年収が上がると比率は減るが、大金持ちからも確実に取れる(図は2014年なので8%)。この特徴を利用して、金持ちの負担する消費税率を上げるのが累進消費税である。
これはフリードマンが1943年に提案し、ロバート・フランクなど民主党系の経済学者が法案化し、2015年には民主党が議会に提出したが、成立しなかった。
そのしくみはシンプルである:たくさん消費する人には高い消費税率をかけるのだ。たとえば年間消費額100万円までは消費税率ゼロ、200万円まで10%、それ以上は100万円ごとに税率が1%上がるとすると、消費額が300万円だと税率は11%で33万円、400万円だと12%で48万円…というように累進的になる。
問題はそれを税制としてどう実装するかだ。フランクの提案では、貯蓄額を申告させて所得との差額を消費として課税対象にする。これは今の所得税が必要経費を申告するのと同じだが、経費と違って貯蓄は銀行の預金残高証明書が必要なので、水増しできない。
消費額は領収書でチェックできる。コクランの提案するように、最高税額を徴収して、領収書を提出して還付すればいい。このとき消費税のインボイスで税額がチェックできる。