1. 金融機関の金融資産・負債残高の特徴

    今回はG7各国の金融機関の金融資産・負債残高を比較してみました。

    日本は1997年の時点では金融資産も負債も非常に高い水準に達していたようです。

    特に金融資産側の貸出(他者の借入金)と、負債側の現金・預金(他者の現金・預金)が大きいという特徴があったようです。

    これは、企業の負債のうち貸出(借入金)が極端に大きかった事と、家計の金融資産のうち現金・預金が極端に多かったことと符合します。

    2021年には他国に対する圧倒感は薄れ、金融資産側の貸出も負債側の現金・預金も他国並みに落ち着きつつある状況に見受けられます。

    バブル期に急激に拡大した負債や金融資産が、長い停滞の間に他国が成長したことで、相対的に他国並みへと落ち着いてきている様子が見て取れますね。

    それでも、家計の金融資産のうち現金・預金はいまだ非常に高い水準で、企業の負債のうち借入金も高めの水準です。

    ただし対GDP比で見ると、状況はやや異なって見えます。

    2021年では、1人あたりの水準よりも、対GDP比の水準の方が大きいですね。

    それだけ、負債や金融資産の規模(ストック)に対して、GDP(フロー)を高められていない影響があるのかもしれません。

    皆さんはどのように考えますか?

編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2023年4月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。