ボルトはその理由として、カールソンがウクライナを「絶望的に腐敗しており、それを支持するバイデンチームは嘘つき」とする「危険で明白に誤った陰謀論を押し付けている」ことや、「女性差別的な職場だった」として女性プロデューサーからカールソンが訴えられていることなどを挙げている。
ボルトはまた、カールソンが21日に米国が「ウクライナのような原始的な国」に秘密の「バイオラボ」や「核技術」を維持していると主張した件を、「視聴者の多くは、米国がウクライナの秘密の生物兵器や核兵器の研究を支援していると暗に受け取っただろう」と述べ、「危険なたわごとだ」と難じた。
つまり、マードック傘下のメディアグループは、余りに過激なカールソンが手に負えなくなったということだろう。そんなカールソンの「Fox」退社をトランプは「ショックだ」とし、「彼は素晴らしい人だ。特にここ1年ほどは、私にとって素晴らしい人だった」と述べた(「The Hill」)。
トランプと「Fox」の関係は、22年大統領選の際に、アリゾナ州で僅差の接戦が開票速報で報じられる中、「Fox」が他のメディアに先んじてバイデン勝利をcallした辺りで、トランプが「Foxは変わった」「叩き潰す」と述べるまでに悪化していた。が、カールソンとの関係は別だったということだろう。
トランプがこれだけ持ち上げるとなると、カールソンは「Newsmax」辺りへの移籍にとどまらず、3年前に「Politico」が「カールソンは『トランプ主義』の最も知名度の高い支持者」と書いて予備選出馬を取り沙汰していた様に、トランプのrunning mate(副大統領)になる可能性すらあるかも知れぬ。