タッカー・カールソンといえば米保守系ケーブルTV「Fox News」をNo.1視聴率に押し上げた立役者であり、また親トランプとしても知られる。その看板アンカーが24日、解雇された。当人も青天の霹靂の一方的な通告だったとされる。本稿では各報道からこの突然の解雇劇の背景を探ってみたい。

タッカー・カールソン氏Wikipediaより
いきなり強烈なところからになるが、リバタリアンでありワクチンやマスクの不要論者としても知られるジェフリー・タッカーが運営する「Brownstone研究所」(以下「BI」)は、カールソンが解雇5日前の番組で大手製薬企業によるメディア操作を攻撃したことが解雇に繋がったと示唆している。
見出しは「タッカー・カールソンのFOX退社とビッグファーマのパワー」。記事は冒頭で、カールソンの出演時間になると平均100万人も視聴者が増え、それは同じ時間帯のCNN番組「アンダーソン・クーパー360°」の4倍とした後、この様に人気のある司会者をなぜ解雇したのかと、理由を詳述する。
その背景として、記事はカールソンとマードック家との軋轢に触れ、Fox の大広告主には、グラクソ・スミスクラインやノバルティス、ファンドのブラックロックが含まれているとする。ブラックロックは4.7%のFox株主であり、バンガードも6.9%の株を持つFox最大の機関投資家だそうだ。
ディープステートの一角との指摘もあるバンガードとブラックロックは世界最大の投資ファンド、J&J株の14%以上、モデルナ株の13%以上を保有し、イーライリリー、ファイザー、メルクも含めたビッグファーマへの投資額は2250億ドル以上で、Foxへの投資の400倍と書いてある。
如何にもこのもう一人のタッカーのシンクタンクらしい書き振りだ。が、バンガードとブラックロックの資産運用額は米国のGDPを上回る約20兆ドルといわれ、米国の「ほぼすべてのヘッジファンドと政府、退職者が両者の顧客」(「ブルームバーグ」)とされるのだから、そういう推論もあり得よう。