市民科学者が空気質測定機器を設置する
空気質測定機器は多種あり、主に家庭で使用されているものはハンディタイプが殆どであろう。中には連続測定値を記録できる機器も有るが、風雨の曝露下でも屋外に定置して測定を継続するには適さず、その場限りで時系列の測定値をとれない機種も多種有るが、それでも専門知識も不要で簡単に使用でき安価であり、実際に使用されている方も多いと思う。

筆者が従来使用していた中国製のハンディタイプ測定器。

本機は7年間酷使し、余りに酷い煤煙を吸わせすぎたのか精度が低下した。
筆者は地域の家屋の薪ストーブからの排煙による周辺への汚染状況記録に供する目的で、これらのハンディタイプではその都度、苛立ちながら起動を待ち(筆者の所有機はsensorのstartupに3分掛かる)表示画面を撮影するなど不便で現実的ではないと判断、屋外に定置し何の操作をせずとも連続自動測定し、測定値も自動記録される機器を探していた。
日本国内では業務用の高価な測定機器・分析機器が豊富に存在するが、非常に高価であり購入のハードルが高い上に運用に専門知識が必要な機器も多い。
参考までに当初は以下のような業務用の測定機器を検討していたが、果たして一般個人に販売して頂けるのだろうか。
筆者の探索が浅いのかもしれないが、知識の無い一般庶民が簡単に運用でき、記録可能で屋外設置に耐え、安価な空気質測定機器は日本では見つけることが出来ず、海外の状況を調べた。
筆者のTwitterの公開listの海外メンバの導入運用実績から3種を検討することにし、結果としてスイスの企業 IQAir社の測定機器を導入した。
3種共、測定値を運営サーバーに送信しその情報を共有、自身で確認するほか、全世界に向けてこれを公開発信することが可能である。
比較検討に供した3種の海外製空気質測定機器について解説しよう。
● IQAir(スイス連邦)
IQAir
スイスとドイツに本拠を置く企業である。空気質に関するソリューションを製造販売しており、室内外双方に各々設置する空気質測定機器も製造販売、各国行政機関設置の測定局からの測定値と合わせ、全世界の協力者(個人/市民科学者・貢献者と呼称される)からの測定値は全世界のユーザーや国連環境計画と共有されている。
また、後述のPurpleAirとも協力関係にあり、PurpleAir測定局の情報を見ることが可能である。
測定機器は2種用意されている。