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マークII3兄弟の中で異彩を放ち続けた三男坊、クレスタ
初代(X50/60系):渋さ全開の元祖ハイソカー
2代目(X70系):セダンになったのにスポーティ?!
3代目(X80系):もっとも売れたが個性は薄かったような?
4代目(X90系):独特の塊感あるフロントマスクが魅力
5代目(X100系):原点回帰で有終の美を飾る
マークII3兄弟の中で異彩を放ち続けた三男坊、クレスタ

昔あったトヨタの「マークII3兄弟」で、クレスタは独特のポジションで存在感を発揮してましたね。
営業用からスポーツまでオールラウンダーのマークII、スポーツや若者向けに振った若々しいイメージのチェイサーに対し、オヤジ殺しの渋いラグジュアリーカーという点で初代から最後の5代目まで一貫していたと思います。
その渋さが後の世でいうVIPカー的な中古車需要を生んだり、ドリフトでも「あえてのクレスタ」で目立ったり、晩年にも往年のファンに向けたCMを流したりと、考えようによってはもっとも個性的、ビスタ以上に今はなきビスタ店の看板車種でした。
今回はそんなクレスタの歴代モデルを振り返ってみましょう。
初代(X50/60系):渋さ全開の元祖ハイソカー

なんとなくの高級感、現在の言葉で言うなら「清潔感」ってことになるんでしょうか?
そんな曖昧な定義ながら大ブームとなった「ハイソカー」の始まりについては、定義同様の曖昧さで諸説あるものの、初代クレスタも火付け役の1台だったことは間違いありません。
そもそもはトヨタが日曜営業や店頭販売の充実など、販売方式や新カテゴリー車種の実験販売チャンネルとして立ち上げた「ビスタ店」(※)向けフラッグシップ・モデルとして1980年に発売されたのが、初代クレスタ。
(※現在はネッツ店に統合されています)
同年10月モデルチェンジのマークII/チェイサーより半年早く登場、2.8リッターの5M-EUエンジン搭載車を設定せずに新型の1G-EUエンジンをトップに据え、ラグジュアリー感あふれる高級内外装と4ドアハードトップボディツートーンカラーで新時代をアピール!
「4ドアハードトップとしてはラグジュアリーセダンなみの高級さと重厚感があり、4ドアセダンとしては斬新なデザインでスポーティ」と、かなりうまくツボをついており、街で見かけても同世代のマークIIやチェイサーより断然カッコよかったものです。
筆者の父親は戦時中生まれのゴリゴリな保守派だったのでGX61マークIIセダン・グランデを買いましたが、子供心に「クレスタの方がカッコイイな…」と思ってました。
2トーンカラーの初期型、GX51スーパールーセントなんかは元祖VIPカー的なちょいワル系需要もありますが、「渋いけど決してオヤジ臭くない」と思えば納得。