目次
3. イタリアの高速列車、価格はいくらぐらいから?
4. イタリアの高速列車はどんなものがある?
3. イタリアの高速列車、価格はいくらぐらいから?
高速列車の概要や予約サイトの手順をご紹介してきましたが、切符の価格はいくらぐらいからなのでしょうか?実際に、以下の条件で価格を検索してみました。
※編集部注:掲載価格は2019年7月以前のものです。価格は変更される可能性があります。
設定した条件
記事執筆時(※2019年7月以前)から1カ月先の土曜日で、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からローマ・テルミニ駅まで、朝の8時台に出発。往路のみ。
【Raileuropeでの結果】
イタロ...格安料金2等車:3,300円/格安料金1等車:5,000円/変更可能2等車:8,300円/変更可能1等車:12,400円
フレッチャロッサ...格安2等車:4,600円/格安1等車:5,300円/変更可能2等車:7,000円/変更可能1等車:9,900円
【Trenitaliaでの結果】
フレッチャロッサ...超格安2等車:3,926円/超格安1等車:4,583円/変更可能2等車:6,172円/変更可能1等車:8,798円
※ライター注:イタロの料金は表示されません。
手数料も高速列車選びでは重要なポイント
TrenitaliaとRaileuropeとでは料金に差があると分かりますが、ここからさらに「手数料」が上乗せされるため、検索結果だけではどちらがお得かは判断できません。
「Raileurope」は手数料が1,500円、「Trenitalia」は 、「.com」ドメインの本家サイトと「.jp」ドメインのサイトがあり、「.jp」ドメインで予約をした場合、手数料がおよそ1,050円かかります。そのため、英語がある程度できる方、なるべく安く済ませたい方は「.com」ドメインで切符を予約しましょう。
※ライター注:trenitalia.jp/は為替によって多少変動があり、小数点2桁まで表示されます。
乗りたい列車やグレードに併せて予算を変えよう
今回の検索結果を手数料込みで比較すると、グレードと列車の組み合わせで最安値に違いがありました。
まず2等車で行く場合なら、最安値は「Raileurope」で列車はイタロを選択したときの4,800円、1等車で行く場合は「Trenitalia」でフレッチャロッサを選択したときの5,633円となります。
イタロの1等車は6,500円となるため、どうしてもイタロに乗ってみたい!という方は1,000円ほど予算を上げてみるのも良いでしょう。また、1等と2等ではサービスも料金も変わりますが、スケジュールが変更される可能性が低い場合は、なるべく早い時期にお得な価格で1等車を予約してみると、優雅な気分になれそうですね。
とはいえ、イタリアの2等車は日本における新幹線のグリーン車よりも快適なように感じられます。広々していてサービスもいいので、2等でも十分満足できるでしょう。
4. イタリアの高速列車はどんなものがある?
イタリアには、「フレッチャロッサ(Trenitalia社)」と「イタロ(NTV社)」という2社の高速列車があります。これらの違いについて、簡単にご紹介しましょう。
フレッチャロッサとは
フレッチャロッサは旧国鉄Trenitaliaの高速列車です。有名な列車ですが実は一種類ではなく 、詳しく分けると「フレッチャロッサ」「フレッチャルジェント」「フレッチャビアンカ」というカテゴリーが存在します。
フレッチャ 、というのは矢という意味で「フレッチャロッサ」は赤い矢 、「フレッチャルジェント」は銀の矢、「フレッチャビアンカ」は白い矢という意味です。この中でもっとも高速なのがフレッチャロッサです。日本で言うと、新幹線「のぞみ」のようなものでしょうか。
Trenitaliaの車両のうち、一部デザインは映画バック・トゥ・ザ・フューチャーにも登場した「デロリアン」やマセラティ、初代フォルクスワーゲン・ゴルフなどをデザインした、イタリア工業デザインの父と呼ばれる巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによるものです。
列車界のフェラーリとも呼ばれるNTV社のイタロ
一方、フレッチャロッサとほぼ同じルートで走っているのがNTV社の「イタロ」です。「イタロ」は、エレガントな車体カラーとホームで一際目を引くデザインが特徴的。こちらはイタリアにおける私鉄の立ち位置と考えると、分かりやすいかもしれません。
「列車界のフェラーリ」という異名まであるのですが、これには理由があります。なんと、設立者の中にはフェラーリの元会長ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏もメンバーに含まれているのです。イタリアデザインや車好きな方は魅力的なポイントですね。
フレッチャロッサとイタロのどちらもデザイン性が高いため、一度乗り比べてみるのも面白いと思います。
高速列車のストはそのときの状況によるかも
ちなみに、イタリアの公共交通機関ではしばしばストが起こります。
Trenitalia系よりもNTV系の方はストが少ない、という意見を聞いたことがあるのですが、私が7日間イタリア滞在したとき、たまたま全てTrenitalia系の長距離列車に乗って移動していました。ですが列車の遅れは一度も発生せず、発着時間も正確でした。
そのため、どちらの会社がストに遭いにくいかは状況によるため、一概には言えないのではないかな、と感じています。なお、イタリアの鉄道ストについては、運行状況が分かるサイトやイタリア観光庁のお知らせなどから確認できます。