キャビン空間の演出にこだわった点も特徴で、フロント席ではモダンで広がりのある空間の中にレクサスのコクピット思想「Tazuna Concept」を採用して、シンプルなインパネとコンソールにより運転に集中できる環境を実現。6/7名乗り仕様では開放感・見晴らしに配慮しながら前後左右に広がりのあるトリムやオーバーヘッドコンソールを配し、多人数乗車でのパーソナル感を追求する。シートについてはどこに座っても心身ともに自然体でいられるよう乗員の身体の動きを徹底的に分析し、とくに頭部の揺れの軽減と視線の安定化を図る。フロントシートは座面の面圧分布を最適化し、旋回時のGの大小にかかわらず身体をホールド。疲労を軽減する座り心地と、クルマとの対話に集中できる環境を提供する。また、2列目シートは特性の異なる2種類の衝撃吸収材を使用することで停車時から走行時まで乗員を優しく包み込みながら支える構造とし、さらに3列目シートは大人でもゆったりと座れるようシートバックとクッションに厚みを持たせた。

新型レクサスLMが上海モーターショー2023でワールドプレミア。日本での発売も決定
(画像=▲インテリアは乗員が“素に戻れる移動空間”を提供すべく、人間中心の考え方に基づいた精緻な作り込みを実施。コクピットには大型センターディスプレイとメーターディスプレイを一体化して配備、『CAR and DRIVER』より引用)
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(画像=▲幅広のセンターコンソールにシンプルな造形のシフトレバーを配置、『CAR and DRIVER』より引用)
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(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
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(画像=▲3列式シートは6名乗り(2/2/2名乗車、写真・上)と7名乗り(2/2/3名乗車、同・下)を設定。内装色はソリスホワイト(写真・上)とブラック(同・下)を用意する、『CAR and DRIVER』より引用)

一方、パーソナル感とプライバシー性を高めた4名乗り仕様では後席前方に48インチ大型ワイドディスプレイを備えたパーティションを配備。また、見晴らしを考慮した昇降ガラスと乗降性に配慮したアシストグリップを統合させる。さらに、スピーカーや冷蔵庫、収納などの各機能は加飾と融合させつつ内装部品間の段差を極限まで低減。サイドウィンドウのグラフィックもシンプルな長方形とするなどインテリアのあらゆる構成要素から乗員にとっての視覚的ノイズを減らし、リラックスできる空間を追求した。座った瞬間に心身を解放させるような心地よさを目指した、体をゆったり包む大型独立シートを採用したことも訴求点である。

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(画像=▲パーソナル感とプライバシー性を高めた4名乗り仕様では後席前方に48インチ大型ワイドディスプレイを備えたパーティションを配備、『CAR and DRIVER』より引用)
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(画像=▲後席には専用の独立シートを装備。オットマンの伸縮量を従来型より延長しつつ、パーティションとの距離を保つことで余裕のあるスペースを確保する、『CAR and DRIVER』より引用)

装備面に関しては、ユーザーの多様なニーズに応えつつ、自然体でいられる室内環境づくりに力点を置いて開発する。リアマルチオペレーションパネルは脱着可能なタッチ式コントローラーで、リアクライメートコンシェルジュ/シート/オーディオ/照明など後席の各種機能を操作することが可能。また、コントローラー自体は2列目シートのコンソールアームレストに2個装備し、左右の乗員がそれぞれの好みの設定ができるように配慮した。さらに、エアコン/シートポジション/サンシェード/照明などを統合制御する「リアクライメートコンシェルジュ」をレクサスで初めて設定し、乗員に最適な車内環境の実現をサポート。4種類のプリセットモードに加えて乗員の好みに応じてカスタマイズできるモードも用意して、より快適な空間を提供する。車内の造形や素材の美しさを際立たせるとともに、リラックスできる空間を演出する間接照明を設定したこともトピック。イルミネーションは14色のテーマカラーとユーザーの好みに合わせて選べる50色のカスタムカラーの計64色を用意。それぞれに癒やしやリラックスなどのテーマを与え、乗員や周囲の状況に即して色調を選択することを可能とした。

4名乗り仕様では、前席と後席の間にパーティションを設置したうえで、上部には昇降式スモークガラスを配して、プライバシーと開放感を両立させる。また、48インチの大型ワイドディスプレイではオンラインによるビジネスミーティングやエンターテインメントなど多様なシーンに合わせた使い方ができ、さらにディスプレイ下部には冷蔵庫や収納スペースを設けて利便性を高めた。一方、後席には専用の独立シートを装備。オットマンの伸縮量を従来型より延長しつつ、パーティションとの距離を保つことで余裕のあるスペースを確保する。また、レクサスとしては初めてアームレストとオットマンにヒーター機構を内蔵。パーティションの上部中央には乗員と周辺温度を検知する後席専用の「温熱感IRマトリクスセンサー」を組み込み、乗員の顔、胸、大腿、下腿の体の部位を4つに分けて温熱感(温かさ/冷たさ)を推定することでエアコンやシートヒーターなどを一括コントロールして、車内を常に快適な温度に保つ。さらに、アームレスト内に収まる格納式テーブルはタブレット端末やノートPCを設置・操作できる十分なサイズとし、同時に質感の向上や滑り止め/傷つき防止の機能を持たせた表皮巻きの天板で構成した。

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(画像=▲リアマルチオペレーションパネルは脱着可能なタッチ式コントローラーで、リアクライメートコンシェルジュ/シート/オーディオ/照明など後席の各種機能を操作することが可能。コントローラー自体は2列目シートのコンソールアームレストに2個装備する、『CAR and DRIVER』より引用)
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(画像=▲ルーフ部にはオーバーヘッドコンソールを設定。室内の開放感を高めるムーンルーフも用意する、『CAR and DRIVER』より引用)

基本骨格については、スライドドア開口面積が広く剛性確保が難しいMPVのボディ骨格強化のために、次世代レクサスが一貫して取り組んでいる「素性の刷新」を新型LMでも実践。具体的には、ラジエターサポートブレース/ロッカーストレート構造/リア床下ブレース/クォーターピラー部リインフォースメントの設定などにより、従来型比で約1.5倍のボディねじり剛性を実現する。また、アッパーボディやフロアには構造用接着剤を効果的に採用して振動の軽減を果たした。

パワートレインには最新世代の2.4リットル直列4気筒ターボハイブリッドシステム[eAxle]と、2.5リットル直列4気筒ハイブリッドシステム[E-Four/FF]を搭載する。また、後席の快適性を重視したドライブモードセレクト「Rear Comfort」モードをレクサスとして初採用。AVS(Adaptive Variable Suspension)の減衰力特性は後席の乗り心地を優先しつつ、アクセルやブレーキと統合制御することで加減速時の姿勢変化がより少なくなるセッティングとした。一方、足回りにはリニアソレノイド式アクチュエーターと周波数感応バルブを併用した「周波数感応バルブ付きAVS」をレクサスで初導入。低周波から高周波までの幅広い領域できめ細かく減衰して振動を軽減し、速度を問わず常に上質な乗り心地を提供する。