トヨタ・プリウスZ 370万円/VWゴルフTDIアクティブ・アドバンス 416万2000円 試乗記
ともにCセグメントの実力車。クラスを牽引するキャラクター
HVの世界代表であるトヨタ・プリウスと、いわゆるCセグメントの世界標準のVWゴルフ。2台は、それぞれカテゴリーを牽引する存在である。直接的なライバル関係にはないように感じるが、販売現場ではかなり引き合いに出されるという。サイズと価格が近く、両車とも+αの付加価値を求めるユーザーに訴えるものがあるからだ。
新型プリウスはスタイリッシュさとスポーティさを本気で追求した。歴代モデルとは明確に異なるクルマに仕上がっている。走りの完成度はかなり高いレベルにあり、しかも燃費性能は相変わらず抜群。売れ行きはかなり好調と伝えられる。
対するゴルフは8代目。新型は2021年の春に日本上陸。まず1リッターと1.5リッターの48VマイルドHV仕様が発売され、その後、2リッターディーゼルのTDI、2リッターターボのGTIとRなどラインアップが充実。ボディタイプは5ドアHBとヴァリアントを名乗るワゴンから選べる。
スタイリングを含めゴルフのイメージはキープコンセプト。ただし新型はフロント回りが低くワイドな印象になり、BEVのID.シリーズに似たデザインになった。とはいえ、老若男女問わず万人受けするオーソドックスなキャラクターはもちろん、使い勝手に優れる万能パッケージング、優れた走行性能はそのまま。時代のニーズに合わせて進化したうえで、大切にしてきた持ち味を継承している。だからこそ、このクラスの「ベンチマーク」なのである。
ゴルフは、いち早くダウンサイジング直噴ターボやDCTなど、斬新なパワートレーンを採用しクラスを革新してきた。8代目のポイントは電動化とデジタル化、そして運転支援強化だという。中でも最新版の48VマイルドHVが示した高い完成度はさすが。かつて自身が大問題を起こしたディーゼルも新世代に移行している。
今回のメイン対決グレードは、プリウスが2リッター・HVのZ、ゴルフはディーゼルを積むTDIのアクティブアドバンス。ボディタイプはともに5ドアHB、ベース価格はプリウスが370万円、ゴルフは416万2000円である。