今回の論考にはリミテーションがあり、その一つに「除外する数」の詳細が解らない事が挙げられる。死亡原因、性別、年齢が不明であるため推計を行う必要があった。また、医療従事者におけるCOVID-19感染の影響については、死因が特定できないため議論が困難である。
そのため医療従事者で一般人口よりも1.69倍死亡率が高かった結果についてCOVID-19による感染症死の影響であるといった主張をする人がいるかもしれないが、それならばコロナワクチンがCOVID-19による死亡数を減らすことが出来ないという話になる。
これらの情報のリミテーションは大きな問題である。政府および厚労省は我々が入手できない情報を既に持ち、詳細なワクチン接種の影響について把握しているはずである。実際、福島雅典・京都大学名誉教授がコロナワクチンの全有害事象等の開示を求める行政訴訟をこの1月に提訴したが、それに対し、厚労省は令和5年4月3日に一部のデータを開示し、全データの開示は2026年度末までに段階的に検討すると回答した。
ワクチン接種後のリアルワールドデータの開示も十分に行わないまま、やみくもに接種を続けることは国民の健康を守るという観点から不適切な対応と言わざるを得ない。政府および厚労省にはコロナワクチンの接種を一時的にでも全面中止し、情報開示及び情報の解析を行い、医療者のみならず国民の健康を守るという職務を全うして頂きたい。
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大里 忍 勤務医。小児科指導医、勤務医として働く中でmRNAワクチンについて学びその危険性に気が付き、将来のある小児へのmRNAワクチン接種に反対している。