名古屋は、大阪から東京へ戻る途中にあります。友人に会うのは仕事ではないため、名古屋での移動にかかった費用を会社が負担した場合は給与となります。東京と大阪の往復分は、名古屋で友人に会わなくてもかかるものであり、仕事をする上で必要な費用であるため、給与とは考えません。

※ WEBサイト「「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー」(観光庁)の図を基に筆者が作成

このように移動の目的によって、ワーケーションやブレジャーにかかる費用の扱いは変わってきます。経理処理が煩雑になるため、ある意味デメリットと言えるかもしれません。

ワーケーション導入のメリットとは? 福利厚生だけでなく「人財」確保にも

では、ワーケーション・ブレジャーの導入にメリットはあるのでしょうか?

仕事とレジャーを組み合わせたワーケーションは従業員の心身の健康増進効果が期待できるというだけでなく、場所にとらわれず、どこでも仕事ができるというメリットがあります。働く時間や場所の選択肢を拡げることによって、結婚(パートナーの転勤)・出産・介護といった人生の転換点において離職せざるを得ない優秀な人材を繋ぎとめられる可能性があるからです。

労働人口が減少している昨今において、人材は会社の「人財」です。ワーケーション・ブレジャーを取り入れることによって、福利厚生の充実といった人材確保への貢献のみならず、仕事の生産性の向上にも繋がり、会社にとっても良い影響を与えるといえるでしょう。

ワーケーション・ブレジャーを導入している企業はまだまだ少なく、導入することにより、企業のアピールに繋がることも考えられます。

大型連休を目前にした今の時期、ワーケーション・ブレジャーの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?

森 健太郎 税理⼠ ベンチャーサポート税理⼠法⼈ 梅田オフィス 代表税理⼠ 1977年⽣まれ、奈良県出⾝。神戸大学経営学部市場システム学科卒業。大阪の電機メーカーに就職後、27歳で税理士業界に転職し、大阪の個人会計事務所にて2年間勤務。その後、2006年にベンチャーサポート税理士法人へ入社。在職中に税理士資格を取得し、現在は梅田オフィスの代表税理士を務める。起業家支援を専門とし、業界歴15年以上で数百社の会社設立と会計業務を支援。創業時の融資や節税を得意としている。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年4月24日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。