いつも自分よりも他人を優先することを心がけているのに、仕事でちっとも評価されない。そんな悔しい思いをしている人も少なくないのではないだろうか。
他人を優先するやさしい心をもっているのに、評価されないのだとしたら。それはあなたの仕事が回っていないことが原因である可能性が高い。少なくとも筆者はそう考えている。
同じ職場で同程度の仕事を与えられながら、仕事が問題なく回っている人とそうでない人がいる。仕事で評価されるのは前者であることも多い。
一体何が両者に違いをもたらすのだろうか。
同じ職場にいながら働き方と仕事の評価が全く異なる二人の物語を皮切りに、現役会社員で時短コンサルタントの立場から考えてみたい。

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入社6年目の佐藤は常に自分よりも他人を優先することを心がけていた。部下から相談を受けると、たとえ目の前の仕事に集中していても最優先で応じた。取引先から電話がかかってくると休日でも必ず応対した。質問を受ければすぐに調べて回答した。
メールやチャットを受信するとすぐにチェックし返信した。上司から仕事を頼まれると、すぐにできる仕事や気になる仕事はその場でとりかかった。
問題は、仕事が全く回っていないことだった。
決済の書類はいつも溜まっていて、部下からもっと早くみてほしいと不満に思われていた。上司からもっとスピーディーに仕事をしてほしいと度々言われた。取引先から仕事を督促されて、残業してなんとか仕事を終わらせる。そんな日も珍しくなかった。
毎日朝早くから夜遅くまで必死にがんばっているのに評価されない。佐藤はどうしたらこの状態から抜け出せるのか。答えを見出せずにいた。
佐藤がそうして苦しむ中、入社10年目の山田は同じ職場で仕事ぶりを評価されながらも毎日定時に帰っていた。その仕事ぶりを紹介したい。