1. 海外の金融資産・負債残高の特徴

    今回はG7各国に対する海外の金融資産・負債残高を比較してみました。

    今まで正味の純金融資産に着目してきましたが、金融資産や負債の水準を比較してみると、また違った傾向が確認できて興味深いですね。

    正味の純金融資産で見れば、日本はドイツと並んで海外が大きくマイナスの国です。

    しかし、そもそも海外との金融資産や負債の水準で見ればイギリスが大きな規模に達していて、両者がほぼ均衡しているが故に純金融資産で見るとほぼゼロに近い状況になっているという事ですね。

    他のドイツやフランス、カナダも同様に、日本よりも海外との関係が強い事がわかります。

    日本は海外の負債はそれなりに大きな水準ですが、海外に対する日本の負債が少ないため、差し引きの海外の純金融負債の水準が大きいという事のようです。

    アメリカはその逆で、海外がアメリカに対して保有する金融資産はそれなりの規模ですが、アメリカが海外に対して保有する金融資産が相対的に少なく、差し引きの海外の純金融資産が大きいという関係になっています。

    EU圏内を含め外国との結びつきを強める欧州、海外からの投資を呼び込むアメリカ、海外に投資してばかりの日本という違いがありそうですね。

    皆さんはどのように考えますか?

編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2023年4月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。