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前回はG7各国の政府の金融資産・負債残高について比較してみました。

日本の政府は負債が多いですが、金融資産も多く保有していて、差し引きの純金融負債はアメリカ、イタリアに次いでG7中3番目のようです。

ただし、対GDP比ではイタリアに次いで2番目となり、負債の水準に対してGDPが増えていないという課題がありそうです。

今回は各国に対する海外の金融資産・負債残高を比較してみたいと思います。

図1 金融資産・負債残高 1人あたり 海外 2021年OECD統計データ より

図1が海外の金融資産・負債残高 1人あたりの比較です。

金融資産をプラス側、負債をマイナス側、正味の純金融資産を黒丸で表現しています。為替レートによるドル換算値です。

なんといってもイギリスの存在感が大きいですね。

イギリスに対する海外は金融資産も負債も非常に多く保有していることになります。

基準をそろえて相対化すると、各国の特徴がより可視化されて興味深いですね。

日本はドイツ、イギリス、フランスなどと比べると、規模がやや小さい事になりそうです。

欧州の主要国ではEU圏内での取引が活発という事も表しているのかもしれません。

日本、ドイツ、カナダは海外が純金融資産マイナス、アメリカ、イギリス、フランス、イタリアはプラスです。

特にアメリカのプラス額が大きい事が良くわかりますね。

日本は海外の金融資産(海外が日本に持っている資産)がG7中最も少ない事になります。

一方負債はイタリアやアメリカよりも多い水準です。