浮谷東次郎の激走と、耐久レースで証明された非凡さ

発売早々にレースへ参戦したトヨタスポーツ800は、早速その特質を存分に発揮します。
車両規則から運営体制まで暗中模索の日本グランプリは1965年の開催が見送られたものの、新たに開業した船橋サーキット(千葉県船橋市・1967年閉鎖)で7月に開催された全日本自動車クラブ選手権でGT-Iクラスに出場。
ライバルはホンダ S600のほかダイハツ コンパーノスパイダー、日産 ブルーバードSS、トライアンフ スピットファイアなどですが、荒れたレースでゼッケン20、浮谷 東次郎のトヨタスポーツ800も4周目で事故に巻き込まれ、フロントフェンダーを損傷します。
ピットでタイヤに干渉したフェンダーを引っ張って応急処置したものの最下位に落ち、優勝どころか上位も絶望的と思われましたが、そこからの26周でライバルを抜きまくり!
終盤にはダットサン ブルーバードSS(410型)を駆る日産の田中 健次郎を筆頭に、ライバルたちも圧倒されて道を譲るほどの鬼気迫る走りで、ついには盟友の生沢 徹が駆るS600と一騎打ちの末、大逆転優勝を飾って伝説になります。
わずか1ヶ月後の事故で東次郎を失ったトヨタワークスですが、それ以降もトヨタスポーツ800の参戦は続き、特に耐久レースでは軽量で空力に優れたマシン特有の燃費性能や信頼性の高さによって、耐久レースを中心に活躍。
「ライトウェイトスポーツ」のほかに経済的な「エコカー」という一面も持つ、非常に先進的なクルマだったのです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・ MOBY
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