新卒フリーランスでも勝負できる職種

新卒フリーランスになるにあたって、どのような職業が向いているのか気になる方もいるでしょう。結論から言えば、以下のような職業なら新卒フリーランスでも十分に勝負できると思います。

  • IT系技術職(エンジニア・ライターなど)
  • アーティスト(画家・演奏家など)
  • インフルエンサー・芸能人
  • ブロガー・YouTuber
  • 士業、資格を要する仕事(弁護士、調理師など)
  • 現場職(配達員、職人など)

フリーランスは良くも悪くも「実力次第」なところがあるため、スキルや知識、経験があれば勝負できる分野は幅広いです。

ただし、新卒フリーランスの場合は「リーダー経験」「ディレクション経験」など、いわゆる「上流工程」の経験が不足しがちなのも事実です。そのため、いきなりコンサルタントやPMなどの職に就くのは難しいかもしれません。

新卒フリーランスが上流工程を担当するためには、まず技術者・現場職として手を動かし、実力やセンスを認めてもらったうえで経験をつませてくれる“師匠”のような存在に出会う必要があるでしょう。

新卒フリーランスの“末路”

「新卒フリーランス」とGoogleで検索してみると、「末路」というサジェストが上位に表示されます。これは新卒フリーランスの行く末を(野次馬的に)気にしている方が多い証拠だと思うので、最後に新卒フリーランスの将来について考えてみます。

結論から言えば、新卒フリーランスの当事者である私を含め、新卒フリーランスの行く末は大きく3パターンに分かれる傾向にあります。

1. フリーランスであり続ける

新卒フリーランスとして独立し、そのままフリーランスとして活躍する方は多いです。これは分かりやすい成功例だと思います。

ただ、興味深い点として、私を含めてウォッチしていた新卒フリーランスの多くは「数年経つと、新卒フリーランスの肩書きを名乗らなくなる」傾向にあります。

背景には、フリーランスとして数年活動するなかで「AWSに強い」「採用につながるWebデザインが制作できる」「ブックライティング特化型ライター」など、新卒フリーランス以上にアピールできる点が出てきたために、あえて新卒フリーランスの肩書きを名乗らないことがあるように思います。

2. 起業(法人化)する

新卒フリーランスとして事業が成長すれば、法人化にたどり着く方もいるでしょう。数は少ないですが、これも成功例の一つといえます。

よく「起業の失敗談」は話題になり、実際に失敗した若者も数多く見てきましたが、新卒フリーランスの業務と地続きの起業は成功率も高いといえます。過去のスキルやノウハウがそのまま活用でき、法人化によって新しいクライアントを開拓できる可能性もあるからです。

3. 就職する

新卒フリーランスの場合、新卒就活より行ける企業・職種の幅は狭まりますが、どこかのタイミングで就職する選択肢もあります。新卒フリーランスとしてのスキルや経験を活かし、業務委託先に社員登用されるのが一番スムーズな就職方法です。

この方法で就職すると、すでにカルチャーや職場の雰囲気がマッチした状態で仕事を始められるので、お互いのミスマッチを避けられるのはメリット。長期インターンを経由した社員登用と似た効果があります。

【補足】意外と“野垂れ死に”はしない

新卒フリーランスと聞くと、「大成功or破滅」の2択を想像する方は多いかもしれません。しかし、実際はその間にかなりのグラデーションがあり、「社会をナメていた新卒フリーランスが、調子に乗って破産」のようなステレオタイプな末路はあまり見たことがありません。

そもそも、新卒フリーランスは基本的に全員若者です。万が一、途中で新卒フリーランスとしての限界を悟っても、再チャレンジには十分な時間が残されています。もちろん「新卒で就職したほうがよかった……」というオチになる可能性はありますが、失敗したからといってリカバリーすることもできる、ということだけはお伝えしておきます。