新卒フリーランスに向かない人の5つの特徴
ここまでの内容から感じられる方もいるかもしれませんが、新卒フリーランスはかなり人を選びます。そこで、まずは「新卒フリーランスに向かない人」の特徴からまとめてみました。
特徴1. 普通にアルバイトやインターン、就活ができる
いきなり少し驚かせたかもしれません。言うまでもなく「普通にアルバイトやインターン、就活ができる程度の力」はフリーランスにも大切です。
しかし、普通にアルバイトやインターン、就活ができる人は、わざわざ新卒フリーランスにならなくてもいいのではないかという意味で、こういった力がある人は新卒フリーランスに向かないと思います。
逆説的に、「どうしても特定の組織に所属し続けられない」「極端に面接が苦手で就活全落ち」「週5日働くことは考えられない」など、少しネガティブな動機から選ぶ働き方、という側面もあります。
繰り返しになりますが、少なくともスキルアップや実績づくりの面で、会社員に勝る点はほとんどありません。数多くの選択肢のなかから、積極的に選ぶものではないと考えます。
特徴2. 学生時代に実績や経験を積めていない
後ほども詳しく述べますが、新卒フリーランスになる以上は学生時代からフリーランスとしての実績や経験が不可欠です。
なぜなら、新卒フリーランスになった瞬間から「プロ」としての働きを求められるから。いきなりプロになることは不可能なので、学生時代からプロになっておかなければなりません。
学生フリーランスとしての経験がない時点で、新卒フリーランスとしての道のりはかなり厳しくなるでしょう。
特徴3. お金や契約関係の話に拒否感がある
確定申告や業務委託契約、報酬の交渉などが発生する以上、お金や契約関係の話に拒否感がある人は新卒フリーランスに向かないでしょう。
ただ、現実の問題として、現在活躍しているフリーランスでも「お金や契約関係の話が得意」という人のほうが圧倒的少数です。皆さんイヤイヤお金や契約関係の処理をしているのも事実なので、ここは覚悟さえしておけば乗り越えられるカベかもしれません。
特徴4. 家計に余裕がない
これは意外と重要です。新卒フリーランスとして売り上げが伸びず、生活が苦しくなるケースは十分に想定されます。そうなったとき、貯金で食いつないだり、家族からの支援を期待したりすることができるかは重要です。
理想としては、(生活費半年分程度の)貯金があること加え、駆け出しのうちは最小限の生活費負担で暮らせる環境(実家暮らしなど)ができるといいでしょう。
特徴5. 他人の目を気にしすぎる
新卒フリーランスは、少なくとも2023年時点で「きわめて珍しい働き方」といえます。当然、周りの人たちからいろいろな反応があるでしょう。
私のケースだと、「頑張って」と言ってもらえるケースも多かった一方、「新卒フリーランスなんて上手くいくわけない」と説教されたり、働き方を伝えても白い目で見られたり**と、苦労もありました。
フリーランスは孤独な働き方なので、他人のアドバイスに耳を傾けることは大切です。しかし、時には誹謗中傷まがいの反応をされたり、不快な思いをしたりすることもあるでしょう。そういった状況に遭遇したとき、気にしすぎる方は心を病んでしまうかもしれません。
新卒フリーランスとして成功する人の5つの特徴
それでは、上記の逆で「新卒フリーランスとして成功する人の特徴」をまとめてみました。
特徴1. 学生時代からフリーランスとしての実績・スキルがある
繰り返し述べてきたように、フリーランスで稼ぐには目立ったスキルと実績が欠かせません。どんな業種で働くかにもよりますが、「自分が将来何になりたいのか」「どんな働き方をしたいか」を考え、学生時代から実行に移すことが不可欠です。
スキルを身につけるには勉強会やスクールに通うのも有効ですが、時間がたっぷりある学生の良さを活かして学生時代からフリーランスとして実際に働くのが一番です。フリーランスは学生でもなれるので、学生時代にフリーランス経験を積んで卒業後に備えましょう。
学生フリーランスとして働けば、以下のことがわかります。
- フリーランスとはどのような働き方なのか
- 自分がフリーランスに向いているか
- 自分の市場価値はどれくらいか
一方、「個人でのかんたんなアプリ開発」「ブログ記事の執筆経験」といった、言葉は悪いですが「趣味の延長」にある実績や、発注元・サービスが無名な実績などは、評価が低くなる傾向にあります。
可能なら、「大規模システムの開発実績」「上場企業のLPデザイン」「有名メディアでの執筆経験」などの分かりやすい実績も欲しいところです。
特徴2.“商品としての自分”を客観視できる
フリーランスをしていると、どうしてもすべてを自分一人で判断してしまいがち。しかし、言うまでもなく自分に仕事を発注する「他人」からの評価は絶対です。常に“商品としての自分”を客観視し、自分の行動やスキル、実績が他人からどう見られているかを意識しましょう。
ただ、客観的に考えるといっても、どうしても主観的な要素は入ってきてしまうもの。そんなときは、他人の客観的な意見を聞くようにしましょう。
「いまの自分に足りないスキル」「将来どんなキャリアを描くべきか」などは、案外自分よりも他人のほうが一歩引いた視点で見れたりするもの。クライアントや同業の先輩はもちろん、ときには家族の意見などに耳を傾けてみたりするのも大切です。
特徴3. 向上心があり、現状維持を良しとしない
市場や他人の評価が分かってくれば、いまの自分に必要な(足りない)要素も分かってくるでしょう。それでも、フリーランスとしてある程度稼げていると「このまま収入を維持できればいいかな……」と、つい現状維持に甘んじたくなります。しかし、これをしてしまうと高確率で収入が落ちます。
なぜなら、フリーランスは市場価値によって収入が決まるから。自分のスキルに変化がなくても、市場や社会の変化によって簡単に収入は上下します。
現状維持をよしとしていると時代の流れに取り残される可能性が高いので、つねにスキルを磨いたり、新たな市場にチャレンジする気持ちを忘れないようにしましょう。
特徴4. 若手であることに甘えない
フリーランスは、若手だからといって甘く見てもらえるとは限りません。特に新卒フリーランスの場合は、「会社員経験もない、いい加減なフリーランスなのではないか」という目を向けられることも多く、評価がマイナスからスタートする場合もしばしば。
こういった状況を打破するためには、実力だけでなく態度や振る舞いからも「プロ」であることをアピールする必要があるでしょう。仕事に取り組む姿勢や、ミスをしたときの態度で甘えを見せることは避けたいです。
特徴5. 礼儀正しく、大人に可愛がられる
新卒フリーランスは、その珍しさから可愛がってもらえることもあります。ここまで見てきたような「プロ」としての資質があれば、「若いのにスゴイ」「面白いキャリアで応援したい」などと声をかけられ、実力より一段上の案件や、メディア出演などの機会に恵まれる可能性もあります。
ここで大切なのは、実力はもちろん、大人から「応援したい」と思われる人であること。新卒フリーランスは、基本的に仕事でかかわる相手のほぼ全員が年上になるからです。
もちろん、無理に大人に媚びる必要はありませんし、見え透いた姿勢は案外バレるもの。礼儀正しく謙虚に振る舞い、円滑なコミュニケーションができれば、自然と人間関係は深まっていくものです。