契約違反、報酬未払い、買いたたき……。
フリーランスにとって、このようなトラブルは他人事ではありません。実際、2020年に内閣府が実施した「フリーランス実態調査」によれば、実に40%近いフリーランスが「取引先と何かしらのトラブルを経験したことがある」と回答しています。
もちろん、トラブルが起きないに越したことはありませんが、万が一トラブルが発生した場合の対応も重要です。しかし、複雑な下請法、労働法などを正確に理解し、ひとりでクライアントと対峙していくのは難しいでしょう。
そこで活用したいのが、中小企業庁が全国に設置している下請け関連のトラブル相談窓口「下請かけこみ寺」です。今回は、下請かけこみ寺の概要や相談できる内容、実際の相談事例などを解説していきます。
下請かけこみ寺とは?
下請かけこみ寺とは、一言でいえば「国公認の下請けトラブル相談窓口」です。「中小企業など」を対象にした制度ですが、もちろんフリーランスも利用可能です。
窓口は本部(全国中小企業振興機関協会)と47都道府県の中小企業振興機関に設置されており、専門の相談員や弁護士に無料で下請けトラブルを相談できます。
下請かけこみ寺で相談できる内容
下請かけこみ寺で相談可能な内容は多岐にわたり、公式サイトでは「業種を問わず、中小企業の皆さまからの『取引に関する相談』であれば、相談に応じます」と書かれています。具体例としては、以下のトラブルなどが挙げられています。
- 代金の未払い、減額
- 不当なやり直し、返品
- 受領拒否
- 買いたたき
- 知財やノウハウ関連のトラブル
- 最低賃金関連のしわ寄せなどのトラブル
その他、最近のトレンドである「消費税」「知的財産」などに関する下請けトラブルも相談可能です。
なお、相談内容はもちろんのこと、相談を受けたこと自体も秘密として取り扱われます。また、紛争の相手先への連絡も行われないほか、匿名相談も可能です(弁護士への相談を除く)。