いざ名神高速へ!10万km連続走行テスト

世界に目を向け、高速道路での長距離巡航でも抜群の耐久性を発揮した3代目コロナを象徴するエピソードが、発売直後に行われた、西宮IC~一宮ICまで部分開通区間の延伸から間もない名神高速での「10万km連続走行テスト」です。
当時の高速道路は交通量が少なく、路肩に駐車して景色を楽しんだり、高速で走り抜けるクルマを眺める「観光客」が続出するなど、交通ルールがあっても実際はテキトーな時代でしたから、コロナのテストも開通前の道路ではなく、一般車がいる中を普通に走ります。
1964年9月14日にスタートした3台のコロナは、途中で1台が一般のトラックにぶつけられてリタイヤしたものの、残り2台は11月までかけて58日間で276往復して10万kmを完走!
開通当初はオーバーヒートなど多数の故障車を出し、国産車では普通に走り切るだけでも容易でなかった高速道路で問題なく通用することをアピールするのに大成功しました。
当時のトヨタはトヨタ2000GTでも長時間のスピードトライアルで世界記録を出したり、モータースポーツでも耐久レースに力を入れており、「高性能と耐久性の両立」を世の中に示していた時代です。
まだ通信手段も限られた当時、地球のどこかで開催された過酷なレースやラリーより、日本国内でこうしたアピールをしたのは非常に効果的で、3代目コロナもその波へうまく乗りました。
「2代目ブルーバード(410)がピニンファリーナの尻下がりデザインで失速したのが幸いした」とも言われますが、仮にそれがなくとも方向性の大転換と効果的な宣伝によって、ヒットする運命だったでしょう。
それは「分かっちゃいるけど、やめられねぇ」とばかり、初代と2代目のコロナで大失敗を繰り返したトヨタが、ようやくクルマづくりを理解した瞬間だったかもしれません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY
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