インフラはどうなる?

最初の問題はインフラの老朽化である。日本のインフラは高度成長期に建設されたものが多く、今後インフラの老朽化が大きな問題となる。地方に伸びる橋、道路、水道など巨額のコストがかかるインフラ整備をする財政的余裕があるとはいえない。

国土交通省によると、2023年で2メートル以上の橋梁の43%、トンネルの34%が建設50年以上を経過すると発表している。「直せない道路や橋」は今後増加していくリスクを理解する必要がある。

せっかく安い住居を買って生活していても、まったく家の外から出ず自給自足をするのは多くの人にとって不可能に近い。長期的に住む前提に立てば、インフラの限界を考慮する必要があるだろう。

消えていくお店、届かない通販

田舎で悠々自適な生活をする上で欠かせないのがお店の存在である。イオンモールなど巨大ショッピングモールに車で出かけて買い物をするのは、地方民にとっては大きな楽しみの一つであるし同時に生活基盤でもある。

だがそれは今後もずっと続くと思わない方がいいかもしれない。人口減少が続けば、モールをはじめ店舗の維持ができず消えていくことになるからだ。「モール近くに家を買ったので買い物便利」と思っていたら、モールがなくなってしまい、買い物難民になるリスクは考慮しておくべきだろう。

「それなら通販で買えばいい」という人もいるかもしれない。今後、配送業界にイノベーションが起きてロボットやAIが活躍するなら話は別だが、現時点では日本の配送はかなり厳しい状況に置かれている。トラックドライバー不足だ。

ヤマトは先日、翌日配送地域の内、一部を翌々日配送にすると発表した。「ポチれば翌日到着」という当たり前がプレミアムになる。いや、インフラ老朽化と合わされば、遠い将来に配送困難の地域になる可能性だって否定できない。また、ロボットが活躍すると言っても、配送には何らかのエネルギーが必要だ。エネルギー不足気味の昨今、この点でも不安は残される。