もう一点、3会派の条文案では、解散後、任期満了後の前議員の身分については、延長の国会議決をするために必要な限度において、任期は終了していないものとみなす規定を創設し、議員身分を復活させたうえで任期を延長することとしている。

その点について篠原委員に質問する。前々回、篠原委員は、「選挙で選ばれた衆議院議員としてではなく、経験を積んだ前議員として特別な資格を与え、国政の重要事項に関与できるようにすればよい」「緊急事態なのでもう一踏ん張りしていただく」「立法措置でやってみて、数年ぐらい経ってからまとめて明文化したらどうか」と述べておられる。

緊急事態に置いて、前議員に議員並みの「国政の重要事項」に関与できる権限を与えるアイディアは傾聴に値するが、まさにそれこそ憲法に書くべき話であり、だからこそ、3会派の条文案では、前議員の身分の復活規定について条文案に明記したところ。

逆に、議員でないものに議員同等の「国政の重要事項」に関与できる権限を与えるような立法は、議員任期を定めた憲法45条、46条、国会が唯一の立法機関と定めた憲法41条、参議院の緊急集会による対応を定めた54条2項などに違反する立法になると考える。篠原委員の提案する立法は違憲立法になるのではないのか、かかる立法は不可能だと思うが、改めて篠原委員の考えを伺う。あわせて、緊急集会で条約承認もできると考えているのか考えを伺う。

最後に、立憲民主党の小西洋之参議院議員は、任期満了前に必ず解散をする立法措置を講ずれば、憲法改正せずとも議員任期の延長ができると主張していると承知しているが、70日を超えて「長期的・確定的・フルスペックで」国政の重要事項について緊急集会で処理するのは、二院制を前提とする現行憲法に反する立法になると考える。また、そもそも解散のない参院には適用できない。今後、有識者の意見を伺う際には、自称憲法学者の小西洋之参議院議員にもお越しいただき、ご意見を伺いたい。

とにかく、我が党国民民主党は、緊急事態にこそ国会の機能を維持し、行政監視機能や立法機能を保持することで行政権の肥大化や乱用を防止し、もって憲法が保障する基本的人権を守ろうと考えている。立憲主義を貫くためにも、憲法で定める議員任期の延長は憲法改正によって規定すべきであることを申し上げ発言を終える。

編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2023年4月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。